小説むすび | 曉の蝶

曉の蝶

曉の蝶

都内某ビルの高級SM倶楽部『Butterfly』。特殊嗜好を持つ政財界の大物たちが、刹那の快楽を求め極秘裏に通うそこは、“新宿の蝶”と呼ばれる美しい青年・椎崎胡蝶の城。欲望の限りを尽くし、関東一円で恐れられた紅龍会三代目・佐藤翁の愛玩ペットとして生きてきた胡蝶は、佐藤翁の死後、『Butterfly』を営みながら己の被虐欲を満たす日々を送っていた。そんな主の身の回りの世話を引き受けるのは、佐藤翁によって声を奪われ、不能になった男・谷地中鈴。普段は従順なくせに、どんなに命じても痛みも暴力も与えてくれない谷地中に、胡蝶は苛立ちを募らせるが…。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP