小説むすび | 夢と気づくには遅すぎた。

夢と気づくには遅すぎた。

夢と気づくには遅すぎた。

著者

堀真潮

発売日

2019年2月2日 発売

あ、と思った。しまった、悟られてはいけないと思ったけれど、間に合わなかった。「どうかした?」主催者である山田さんの目が細く光った。「すみません。この間から歯の調子が悪くて。歯医者さんに行かなきゃいけないのに苦手で、つい。子供みたいですよね」私がハンカチを口元に当てながらおどけると、周りの人達の間にさざめくような笑いが起きる。(「錆」より)SS大賞受賞、“縁・情”の作家が描く、思わずハッとする18編。

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