窮屈で自由な私の容れもの
仕事、私生活、加齢、体調不良…
否応なく襲ってくる体の変化とままならなさ
●推薦の声●
柚木麻子さん
悔しさの味わいが、苦味も爽やかさもある、美味しそうな、贅沢な表現であるところが、私はとても好きだ
王谷晶さん
確かに言えるのは、このラブストーリーはあなたを傷付けるし、その傷は不思議と心地いいということだけだ
戸田真琴さん
特別な才能や魔法を持っているわけでもない、あのたくさんの“誰か”は、ここにちゃんと描かれていた
吉川トリコさん
ひりひりと息が詰まるような、それでいてずぶずぶと生ぬるく体を包み込む、泥のようにやさしい小説
桜木紫乃さん
ひとつひとつかみ砕くようにして読んでいるうちに、「ああ、あの失敗こそが財産だった」と気づくことができる
女性の心と体、その選択と決定をめぐる 私たちの物語
●ブルーチーズと瓶の蓋
夫の単身赴任に息子がついていくことになり、突然、誰かのためではなく自分のためだけに料理をつくることに。
●教会のバーベルスクワット
四十歳を目前に妊活をやめた私は、夫との間に距離を感じ、魔が差したかのようにネットで知り合った男と逢瀬を重ねるように。
●保健室の白いカーテン
年中体調不良の私は、現実社会のスピードに追い付けず、将来のことを考えるのが苦手で、焦燥感や後ろめたさをいつも先送りしてしまう。
●森林限界のあなた
タトゥーを彫り付けようと山麓の店を訪ねた私には、その山をかつて、先輩イサミさんと登った思い出があった。
●コンバッチ!
夫から突然、不倫相手の妊娠、離婚の申し出を受けた四十四歳の私は、言われるがままに条件を呑みこみ、さらに仕事も不調だったのだが…。