【POD】景色と情景
「二人でライブがしたい!」
音楽から逃げていた中山がそう叫んだのは、伊々坂のライブ終演後すぐの事である。それぞれの思いを胸に言葉を交わし合う二人は、似ているようでどこか違う。
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シンガーソングライターの伊々坂友秋と中山大之は、2021年秋に行きつけのライブバーで偶然出会い、なんとなく意気投合した。中山が音楽活動を休止してしまってからも、彼らの交流は途絶えなかった。
活動休止から約一年後、伊々坂の企画ライブを見に行ったことをきっかけに、中山は「もう一度音楽と向き合おう」という気持ちになった。早速、中山は伊々坂に「共同企画をしよう」と声をかけた。
彼らは「まだ売れていない二人が成長していく過程を見てもらう」というコンセプトと、「一年後に大きな会場でライブをする」という目標を立てて、走り出した。
その成長劇のタイトルは『景色と情景』。
23年10月から24年11月にかけて、彼らが描いてきた軌跡に迫った。
※注:この物語はノンフィクションです。
【目次】
二人の道が交差した日
『景色と情景』の幕明け
第二章「共鳴」
第三章「鏡の向こうの交差点」
第四章「写らないもの」
最終章に向けて
最終章