出版社 : つむぎ書房
千秋国際空港で大型旅客機が爆破された。県警捜査一課の内藤は初動捜査に当たるが、捜査本部は手口から国際的なテロと断定、テロを専門に扱う公安部に捜査の主導権を奪われてしまう。捜査の本筋から外された内藤には、無数にある防犯カメラ捜査が割り当てられたが、空港内のありとあらゆる風景を記録していたはずのカメラに、犯行の様子を記録したものは一つもなかった。本当に国際テロ組織による犯行なのか。四十年前の開港前夜、空港反対派による過激な反対運動があったが、今はもう、その火は完全に消えている。関連はないのか。もし反対派なら、今さら何に反対しようというのか。内藤が頭を悩ませる中、厳戒の警備態勢をあざ笑うかのように二機目が爆破されるーーーー
私たちは自分の親も子も、生まれる国も時代も選べない。さらに容姿も能力も性格も選べない。しかもこれら与えられたものを拒否する権限も持たない。自由?選択権?そうしたものを本当に人間は持っているのだろうか。一体何者が、どんな初期設定でこの世界を造ったのだろう。近々今の時代が新しい時代に取って代わられる〈大峠〉が来ると言われている。その大峠の後の世界を見てきた男の目を通して話が語られる。現在権威を誇っている教育システム、宗教組織、マスメディアという、人類を幻想の中に閉じ込めている勢力は、果たしてその未来世界で語られている通りに滅び去ってしまうのだろうか。今地上の人々は、我々が何処へ向かっているのか、何処へ辿り着くのか解らないでいる。一方、彼が出会った様々な人間は独自の世界解釈とこの宇宙の成り立ちについて色々と語っている。できればその一つひとつに耳を傾け、読者の確かな目で検証していただければと思う。
女性の人生を描いた、四編からなる、短編集。夫を亡くし、還暦になった、女性が、通ってきた道とは。若い女性が、通る道とは。女性の人生を壮大なスケールでお送りする、小説になっています。