出版社 : インターグロー
中学生になって初めての夏休みを迎える保は、友人のユウイチと、古民家の庭先に迷い込む。空き家だと思い込む二人は、そこでユウイチのペットのミドリガメを飼い、えさやりに通い始めた。ある日家主の娘・夏美と遭遇。保は夏美に責められるが、「とおる?…お前かい??」-突然、家主であるおばあさんに呼び止められて…。認知症と向き合う家族たちの愛と葛藤。日常の中で起こった小さな奇跡を描いた心あたたまる作品。
「一緒にバンド組んでみない?」無気力な毎日を送る高校2年生の賢介に、クラスメートの陽一が声をかけた。賢介にできる楽器といえば、亡き母親も弾いていた、津軽三味線ー。そんな折、母親の描いた絵があると知った賢介は、探しにいこうとひとり家をでる。そこで彼を待っていたのは…。時空を超えた母親探しの、そして自分探しの旅が始まる。思春期の少年の、心の葛藤と成長を瑞々しく描いた、タイムスリップ青春奇譚。
中学の卒業式の日に父親に失踪され、生活費を稼ぐためバイトに明け暮れる少女・水野珠希。あだ名は水玉。趣味は小銭貯金とおいしいものを食べること。しかし、宅配ピザの配達中に事故に巻き込まれ、気づいたときには病院のベッドの上。退院してみたらユーレイと同居する羽目に!珠希の周りで起こる小さな事件を、ユーレイ少年の手助けを得て解決していくのだが、肝心のバイトは次々クビ!?アップテンポに展開する日常ミステリーの異色作。
夜、道玄坂や宮益坂に現れる黒い犬。それに餌をやったものは、必ず謎の失踪を遂げるー。そんな、どこにでもありそうな都市伝説がささやかれている渋谷で、黒い犬につきまとわれている少女に出会った二里とナナ。かろうじて犬を追い払ったものの、路地の闇にすうっと消えるようにいなくなるのを目撃してしまう。正体を突き止めようと躍起になるナナに対し、二里は消極的。その理由は1つ。彼が幼いころから持つ能力が、関わるなと告げていた…。