出版社 : ディスカヴァー・トゥエンティワン
「…なんで俺ばっかりこんな目に合うんだよ」思わず独り言を言った、そのときだ。ふと目の前に、タクシーが近づいてくるのに気づいた。累計80万部喜多川泰、渾身の感動作!報われない努力なんてない!
鉄塔マニアの地味な伊達は中学校最後の夏休みを、一人でダラダラ過ごしていた。しかし登校日の学校で、破天荒な同級生、帆月から「鉄塔の上に男の子が座っている」と声をかけられる。次の日から、幽霊が見えると噂される比奈山も巻き込み、鉄塔の上に座るという男の子の謎を解き明かそうとするのだがー。少年たちが殻を破り、自らの一歩を踏み出そうとした夏休みを、この上なく鮮やかに、そして爽やかに描ききった、青春小説の名作。書き下ろし短編、『まだ幽かな冬』も収録。
天保八年、飢饉の村から九歳の少女、駒乃が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧へと成長する。忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。-全国の書店員が選んだ「世に出したい」新作!第1回本のサナギ賞優秀賞受賞作。
会社を辞め、子供たちの生きる力を育てる塾を立ち上げた秀平。家族を支えながらも経営がうまくいかず、不安な毎日を過ごしていた。そんなある日、口に入れると「自分の先祖が体験してきたこと」が夢となってあらわれる「ルーツキャンディ」を手に入れる。秀平は祖父たちの生き様、決意、つないできた命の奇跡を知るなかで、これから自分の子として生まれる新しい命と、塾の子供たちに伝えなければならない大切なことに気づいていく。ベストセラー作家、喜多川泰の隠れた名作!書き下ろし新作短編も収録!
鉄塔オタクの僕は、中学三年生の夏休みをダラダラ過ごしていた。でも登校日に同級生の破天荒な女子、帆月蒼唯から「公園の横にある鉄塔って何か特別だったりする?」と尋ねられる。翌日気になった僕が公園に向かうと、幽霊が見える少年、比奈山優がいた。そこに帆月も現れる。三人で何のヘンテツもないその鉄塔、京北線94号鉄塔を見上げてみるとー。爽やかに描かれる、ひと夏の青春鉄塔小説!!
泣ける話は、もう飽きた。出会いは最悪。難儀な性格。それでもボクらは離れない。もらす男となくす女の「運命のひと」探しがあなたのおなかをくすぐります。
「坊主頭が鉛のように重い」。統合失調症を患った伊知郎は、デイケア施設で無為に過ぎていく時間に絶望していた。そんなとき、社会復帰への希望として、障害者技能競技大会、通称「アビリンピック」の存在を知る。病気を馬鹿にする弟の弐郎や父に、「お前のような奴が大会に出ても意味が無い」と罵倒されながらも、すがるような思いでプログラミングを学び、地区大会へ出場する。この日を境に、伊知郎の人生は前進するはずだったのだが…。統合失調症の著者が体験を元に書き下ろす、家族と人生の再生の物語。
確率の低い事象を引き寄せてしまう「幸運体質」の高校生・榎本幸輔は、小学生時代に仲のよかった本条美雪を事故で失ったことから、その思い出を引きずり、「あの時自分が動けば何かが変わったのでは」と思い悩んでいた。そんなある日、学校に美雪そっくりの女性、東城蒼生と西條茜音が転入してくる。蒼生と茜音。二冊の本で展開する、「可能性」をめぐるラブストーリー。
確率の低い事象を引き寄せてしまう「幸運体質」の高校生・榎本幸輔は、小学生時代に仲のよかった本条美雪を事故で失ったことから、その思い出を引きずり、「あの時自分が動けば何かが変わったのでは」と思い悩んでいた。そんなある日、学校に美雪そっくりの女性、東城蒼生と西條茜音が転入してくる。蒼生と茜音。二冊の本で展開する、「可能性」をめぐるラブストーリー。
人が“恋に落ちる”瞬間とはどこにあるのだろう?時間も場所も場合もなく、唐突にそれは訪れる。鉄壁のクール女子大生が描く想い、天才美少女に空いた心の穴、果てはツチノコハートフルストーリー!?三組の男女に訪れる瑞々しく眩しい一瞬を、三人のプロデューサーと共に描き出す、文野はじめ初の短編集。
西暦2061年、ウェアラブル機器と高度な人工知能「カミサマ」によって緩やかな情報管理が行われる時代。「僕」は先生から頼まれたお遣いで、ウェアラブル機器を持っていない少女、サラガネ・サラサと出会う。近未来の一夏を舞台に、過去と未来、サイエンスフィクションと甘酸っぱい恋が交錯する青春小説。