出版社 : 双葉社
数々の国難を救ってきた幕府の密使、不知火隼人。その出生の秘密が意外な形で明かされた。「そなたは上さまの兄上。命を狙われておる」--大奥御年寄、歌橋の突然の告白に驚愕する隼人。実弟である将軍家定より葵の脇差を、歌橋からは南蛮渡来の鏡を形見に授けられ、江戸を去るよう忠告されるが、すでに最凶の刺客は背後に迫っていた! 剣戟の名手による伝説の娯楽大作、堂々の最終巻。
廓中が白装束で埋まる名物紋日、八朔。決して客と同衾しない伝説の花魁篝火は薄墨で竜を描いた白小袖姿で道中し、男心を蕩けさせる。だがその正体は、なんと幼少より吉原に匿われし尾張家の御落胤、徳川竜之進! 秘道から廓を脱けて通う煮売屋で、江戸の町を騒がす妖術遣い「滝夜叉姫」一行の噂を耳にした竜之進は、胡乱な美姫を見物に夜の上野へと乗り込む。”見返り柳剣”が浮き世の悪をしなやかに斬る!! 大好評シリーズ第二弾。
寛永寺の本堂の落成を記念して、算額を奉納することになった。普請奉行から、算額作製の命を直々に受けた柏木新助は、ひと月で「魔方陣」を作らねばならなくなる。そんな折、新助は覆面男の集団に襲われている女を助ける。雪と名乗るその女から事情を聞くと、女の父親は魔方陣の大家だったが、図面を雪に託して、行方をくらましてしまったという。新助はさっそく、雪と共に父親の行方を探し始めるが…。注目のシリーズ第三弾。
「憎きあいつを殺したのは……私!?」二十年前に起きた通り魔事件の犯人が刺殺された。警察に「殺した」と通報したのは、同じ事件で愛する両親を失った女性。だが、彼女はその現場から逃げる途中で交通事故に遭い、脳に障害を負っていた。警察の調べに対し、女性による殺害の記憶は定かでない。復讐は成し遂げられたのか、最後に待つ衝撃の真相とは? 驚愕の長編サスペンス・ミステリー!
東京・葛西駅前のコインロッカーから女性の左腕が発見された。「ロックスミス(錠前師)」を名乗る犯人はヒントとなるメッセージとロッカーの鍵を残しており、引き続き身体の断片を捜すよう命じる。筋読みに優れた女性刑事・城戸葉月を中心とした警視庁の捜査チームは都内を奔走。一方、エンバーマー(遺体整復師)の折口聡子は「ウツロ」を名乗る人物に監禁されていた。ウツロは手足のない女性の骸の復元を聡子に要求する。一向に姿を現さないロックスミスとウツロの真意は?そして葉月と聡子が迎える衝撃の結末とはー?
男子が作った女子ランキング。あの子よりも、私は上だったーー。美醜のジャッジに心を弄られ、自意識が衝突しあう教室。そこではある少女に対し、卑劣な方法で「魂の殺人」がなされていた。のちに運命を束ねたかつての少女たちは、ひそかに自分たちの「裁き」を実行してゆく。その先に、果たして出口はあるのか。静かな祈りのような希望が滲むラストに、胸がうち震える。
大切な人を殺された者は言う。「犯罪者に復讐してやりたい」と。凶悪な事件が起きると人々は言う。「被害者と同じ目に遭わせてやりたい」と。20××年、凶悪な犯罪が増加する一方の日本で、新しい法律が生まれた。それが「復讐法」だ。目には目を歯には歯を。この法律は果たして被害者たちを救えるのだろうか。復讐とは何かを問いかける衝撃のデビュー作!
道後温泉にたたずむ温泉宿『湯築屋』。古びた宿に見えるが、暖簾を潜ることのできる「お客様」にとっては、居心地がよく、癒しの効果もある、おもてなしの宿であった。なにせ、お客様は神様ばかり。そんな湯築屋の若女将を務める女子高生・湯築九十九。オーナー兼、夫である稲荷神のシロとともに、今日も一生懸命、神様をおもてなし!
優秀な陰陽師なのに、なぜか東京・八王子のナンデイ電気店で働くことになった大春日拓也。神様やあやかしたちに家電製品を売る仕事に戸惑いを感じていた拓也だったが、少しずつそんな仕事にも慣れてきた。ある日、陰陽師協会本部にて拓也はナンデイ電気店に新たな陰陽師が配属されることを伝えられる。急な増員に驚く拓也。しかも、どうやらその新人は、陰陽師協会会長の末娘のようでーー。ナンデイ電気店は、今日も不思議なお客様たちで大賑わい。笑って泣けるあやかしドラマ、待望の第二弾!!
この春に舞台化され、人気を呼んだ「緒方洪庵 浪華の事件帳」の姉妹編シリーズが新装版で登場! こちらの主人公は、大坂の町を陰で守る<在天別流>東儀左近。洪庵と出会う以前の、うら若き左近の活躍を描く。左近は人形芝居一座の惨殺事件に関わるが、そこからお上に目を付けられる事態に。男に負けない女剣士左近が、絶体絶命の窮地に立たされる、スリリングなシリーズ第1弾!
大坂商人の娘が拐かされる事件が相次いだ。そこにはさる大名家と大坂商人たちの間に横たわる遺恨が隠されていた。千年の昔から大坂の町と民を陰で守り続けてきた<在天別流>の姫、東儀左近は企みに気づかぬまま、陰謀に近づきすぎてしまった。大坂に来る前のこととて、首謀者一味と<在天>一族とのかつての因縁も知らず……。十八歳という成熟前の左近の前に様々な新事実が現れ、惑いながらも己の道を進み悪を討つ、華々しくも清々しい活躍譚、第2弾!
その肉体さえも国家に捧げる女スパイ・黒江律子、新たなる敵は過激新興宗教! 警察庁の公安秘密組織「十三階」は、かつて地下鉄テロを起こしたカイラス蓮昇会教祖の死刑執行が迫り、揺れていた。そんなとき、母親がカイラス分派団体に入信してしまい、律子は単独捜査に乗り出す。緊迫のスパイサスペンス「十三階の女」シリーズ第二弾。