出版社 : 双葉社
社会的に厳しい境遇にある隆志は、仕事で集金した金を持って同じような身の上の久美子と死出の旅に出た。どうせ死ぬのだからと贅沢な旅行を続ける二人の前に、ある中年の夫婦が現れる。落ち着いていて、品のあるその夫婦を見ているうちに、こういう生き方もあるのかと感じ入る隆志。そして遂に、最初からやり直そうと…(「拐帯行」)。シリーズ最終巻は著者の代名詞とも言える社会派ミステリ。掉尾を飾るにふさわしい傑作群を、どうぞ最後までお楽しみください!
六七歳の柴田一郎は、独り暮らしの無聊を慰めるべく、自分史を書きはじめる(「自分史」)。病院帰りに立ち寄ったビルの名店街で渡された腕時計のようなものは、自分がどのくらい嫌われているかわかるというアイテムだった(「嫌われ度メーター」)など、人生の黄昏時を迎えた者たちに訪れる奇妙であやしい出来事。全編書き下ろしで贈る、珠玉の二十の物語。
ついにお互いの気持ちを伝え、付き合いだした清貴と葵。ある日、京都では名の通った鑑定士や収集家の家から、仏教関係の美術品が盗まれる事件が頻発しているという報せが、二人のもとに入る。さらに、吉田山荘事件で知り合った探偵の小松が、行方不明の娘を捜してほしいと『蔵』にやって来た。二つの事件は巧妙に絡み合い、さらなる謎へとー大ヒット・キャラクター小説第6弾!
経理課に入社した新入社員は、32歳の未亡人。街で偶然出会った下条正巳に「匂いって、なんだかエッチですよね」と微笑みかけてくる(「匂いの女」)。生活に疲れきっていた恩田忠司の前に、幼馴染みでかつてバージンを奪った北白川雛子が現れる(「初めての女」)。など、初恋の女、憧れていた年上の女、思いがけない出会いなど、過去と現在が交錯しつつ紡がれる、書き下ろし作品1点を加えた8つの逢瀬を描いた短編を収録。
越後屋の向かいに妙な店が出現した。なんと家の屋根から壁まで、すべて真っ黄色に塗りたくられているのだ。いったい誰が、どういう目的でこんなことをしたのか。しかも、いつまで経っても、店を開ける気配するない。不審に思った愛坂桃太郎が調べを進めていくと、これまで越後屋に数々の嫌がらせを仕掛けてきた張本人の存在が浮かび上がってきた。大人気シリーズ第六弾!
菅井紋太夫が武家の若い娘・きよに勝負を挑まれる。居合の達人に父親を殺された娘は、菅井を下手人だと思い込んでいたのだ。それが人違いだと知ったきよは、仇討ちのための剣術指南を菅井に願い出る。そんな折、娘とともに三人の武士がはぐれ長屋を訪れ、源九郎たちに、きよの父親を殺した下手人を探って欲しいと依頼してくる。大好評シリーズ第三十八弾!
婚礼直前に屋敷を逃げ出した竜子姫を助け、石川島で大捕物を仕掛けた“若様”奥山右京之介。まんまとせしめた大金を仲間に配り、風のように江戸から消えた。そして季節が秋から初冬へと移る頃、若様は姫が嫁ぐはずだった播磨国仙崎藩にフラリと姿を現す。此度の狙いはなんと、豊臣秀吉が多田銀山に隠したと伝わる四億両もの埋蔵金。仙崎藩のお家騒動に便乗し、若様は仰天の秘策を打つ。芥川賞作家、入魂の書き下ろし。
材木問屋の奉公人が刺殺され、凶器の脇差が腹に刺さったまま残されていた。与力の北山は豊之助の助力を得て探索を始めたのだったが、脇差の持ち主は中西道場の弟弟子だった!弟弟子の無実を祈りつつ探索を続けた豊之助だったが、はたして真相はいかに!?好評シリーズ第四弾!
南新堀の廻船問屋『渡海屋』の若旦那である巳之吉は、家業には目もくれず、遊興三昧。気ままな日々を過ごしていたが、業を煮やした祖父の儀右衛門から、見聞を広げるため東海道を一人で旅するよう命じられる。そんなのはごめんだと拒否した巳之吉だが、とある事情から、泣く泣く江戸を離れざるを得なくなりー。愛嬌たっぷりの若旦那が繰り広げる、笑いと涙の珍道中!時代劇界の超大物脚本家が贈る、期待のシリーズ第一弾!
エリート街道から一転、異世界の魔法少女エリィ・ゴールデンに転生してしまった小橋川。ボーンリザードの襲撃という難局を乗り越えたエリィは、その武勲を称えられ、グレイフナー王国の国王と謁見することになる。そして王より褒美を賜ることになった彼女は、王都のメインストリートの一角をある物の広告のため使用したいと伝えるのだがー。異世界でのブランディングに雑誌の創刊!?「小説家になろう」発、ブスでデブが成り上がる、新感覚異世界ライフ、待望の第二弾。
ついに、ダンジョンは独立国ウィードとなり、ユキは14人の嫁たちと結婚式を挙げて正式な夫婦になった。だが、建国祭に前後して、次々に問題が噴出。異世界転移してきた日本人勇者を抱える国ランクスの暴走、もう1人の魔王の動向、そして愛の力で覚醒するという美少女勇者がダンジョンに!?-昼はダンジョン運営、夜は子づくりで大忙し!「小説家になろう」発、大ヒット迷宮運営ファンタジー第五弾!書き下ろし番外編では、ユキと嫁たちの結婚式の話が描かれる。
豊後、坪内藩の城下町にある青鳴道場。神妙活殺流の遣い手だった先代の死から早一年、道場は存亡の危機にあった。跡を継いだ長男の青鳴権平はまだ二十歳と若く、その昼行燈ぶりから、ついには門人が一人もいなくなってしまったのである。米櫃も底をついたある日、「鬼姫」と巷で呼ばれる妹の千草や、神童の誉れ高い弟の勘六に尻を叩かれた権平がようやく重い腰を上げる。「父の仇を捜すために道場破りをいたす」。酔って神社の石段で足を滑らせて亡くなったとされる先代の死には不審な点があり、直前には五つの流派の道場主たちと酒席を共にしていた。三人は、道場再興と父の汚名を雪ぐため、まずはその一つ、新当流の柿崎道場に乗りこむー。
過剰防衛による殺人の裁判で無罪となり、警察庁警備局公安課特別捜査室“サクラ”に復帰した田臥健吾を、新たな任務が待ち受けていた。東京発博多行きの“のぞみ167号”の車内でTNT爆弾が発見されたのだ。さらには、イスラム国の対日本専門のテロリスト“クラッシュマン”が入国したという情報がICPOのリヨン事務総局よりもたらされる。田臥は、“サクラ”の仲間たちと共に深く静かに捜査を開始するー。迫真のタイムレース・サスペンス
とある日ー。広告代理店に勤める根本に、ベストセラー小説『永久の大地』を映画するよう社命が下る。映画が大好きな根本は喜び勇んで映画製作に邁進するが、トラブル続出。果たして映画は無事に完成するのだろうか。
十五にして両親を失った結は、長屋で首を括ろうとしたところを元芸者の女髪結い・お夕に救われた。ほかに生きる道のない結は、自らの不器用さを恨みながら、お夕のもとで修業に励む。だが、贅沢を戒めるお上は、女髪結いの取り締まりを厳しくするばかり。はたして師弟は江戸の女の幸せを守りぬけるのか!?
社内不倫に疲れた30代OL、妻に先立たれた老人、子供に見捨てられた資産家老女、一部屋だけ片づいた部屋がある主婦…。『部屋を片づけられない人間は、心に問題がある』と考えている片づけ屋・大庭十萬里は、原因を探りながら汚部屋を綺麗な部屋に甦らせる。この本を読んだら、きっとあなたも断捨離したくなる!
幼い頃から「幽霊」が見える特殊な力を持つ女子大生、時町見初。そんな彼女の目下の悩みは、自身の就職活動だった。面接は連戦連敗。中々決まらない就職先に、お先は真っ暗だった。しかしそんな時、大学のキャリアセンターが、ある求人票を彼女に紹介する。それは幽霊が出るとの噂が絶えない出雲のお化けホテルの求人票でー。「妖怪」や「神様」たちが泊まりにくる出雲のホテルを舞台にした、笑って泣けるあやかしドラマ!!
成人式の翌朝、二日酔いで目覚めた浩平の部屋には、見知らぬ男性・コンがいた。「オレを主のところに帰してくれないかい?」帰り道がわからないと言うコンに戸惑いながらも、浩平はコンの主を捜しに行く。たどり着いたのは、店主のなごみと、実は神使の見習いのお狐さんだというコンが働く屋台。そこは、毎週金曜日の夜になると訳ありの客とあやかしが集まる、ちょっと不思議なお店だったー!?