小説むすび | 出版社 : 文芸社

死の集団密航から奇跡的に甦り、命がけの凄絶な実生活を体験しながら、凋落の一途を辿る中国人女性レイの軌跡。２０世紀の日本と中国の歴史的記憶のために、全身全霊を傾けて執筆した渾身の作。

姉さんが行方不明になったあの日から、僕は激しく姉さんを求めはじめた。小説すばる新人賞受賞から７年。満を持しての書き下ろしで新たな境地を開いた問題作。

日常に息づく密やかな感情の襞が、チロチロと灯される情念の炎に照らされ、紡ぎだされる言葉の滴が、深く静かに心を染めてゆく珠玉の短編集。

夏目漱石の「吾輩は猫である」は、飼い猫の目を通しての人間像を描いた文化論的小説だったが、この作品は、花子という飼い猫を中心としたちいさな猫社会を反射鏡として、現代の人間社会をするどく映している。

夢幻の恋愛に浸り彷徨うひとりの少女の生命の七奏章。短くとも儚くとも、愛に生きる瞬間がそこにあれば…他には何もいらない。少女は消えゆく夢の世界で恋愛を真剣に見つめ続けた。

さまざまな愛のかたち。多彩で複雑な人間関係。それらを綾なす不思議な伝説。-美しい長崎半島を舞台に、６０年代後半の青春群像を描ききった一大ロマン。

“於菊怨”は呪いのメッセージ。連続殺人の裏に秘められた過去とは何か。

なにげない日常が、まぶしいくらいに輝きだす瞬間を切りとった学園ドラマ。繊細な感性が光る石川敬香１７歳衝撃のデビュー作。

サラリーマン生活１５年の経験を持つ大学教授の著者が「会社とは、経営者とは、家族とは、人間とは、そして人生とは」をかつて企業戦士と呼ばれた男たちに問う。

挙式一週間前に婚約者を事故で亡くしたヒロイン・真貴が、哀しみを乗り越え、新たな愛を見つけて立ち上がるまでを描いた感動のラブ・ストーリー。

小学校６年生の村山藍は、品行方正な優等生。名門私立中学の入試をひかえ、母親のお受験熱も高まるばかりだ。しかし、当の藍は、そんな自分に疑問をもちはじめる。ある日、家に帰りたくなかった藍は近所に月光のあたる草原があることを発見する。そこで本当の自分に出会えた気がした藍は、その日を境に豹変した。口応え、不登校…家族はこのまま崩壊してしまうのか。