出版社 : 朝日新聞出版
【文学/日本文学小説】昭和49年、画家・熊谷守一と妻・秀子のある夏の日を描いた映画「モリのいる場所」(沖田修一監督作品)の小説版。94歳の画家が愛する自邸の庭と小さな命。老夫婦のお茶の間に集う人々。さまざまな視点でディテールを重ねつつ、軽やかに「守一像」に迫る。
さまざまな思惑を抱く客を乗せて、旅客機が“北部辺境区”へ向けて離陸した。だが、安穏の空の旅とはならない。“西部辺境区”で大殺戮を行い罪人として護送中のハイランド公爵の眠る棺が乗っていたのだ。公爵をめぐる貴族たちの毒牙がさらには残虐無比の空賊が、飛行体に乗り合わせたDと乗客に襲いかかる!
突然帰国した、杉下右京の姪・杉下花。フォトグラファーの彼女は、東京の下町を撮影中に不審な家を発見する。その家の周囲を調べた彼女は、数日前に起きた殺人事件の犯人が潜んでいるはずだと断言した。素人の幼稚な発想だと聞き流していた右京だったが、思わぬ形で花に危機が訪れ…。特命係+花が事件解決に奔る!第十五話〜第十八話の脚本をもとに、再構成して小説化。
亡き夫の復讐を果たし、海外への高飛びを画策する月本幸子。しかし、その前に立ちはだかったのは、特命係の杉下右京だった!美女に優しく接する亀山薫を横目に、右京は幸子の服装に違和感を覚えていた。身に着けたブランド服とは釣り合わない安物のコート、ズボンの裾についた赤い染み…。右京の厳しい追及が始まる!第十九話〜第二十一話の脚本をもとに、再構成して小説化。
和製シャーロック・ホームズこと杉下右京と間違われて拉致された亀山薫。椅子に縛りつけられ、犯人から求められたのは暗号の解読だった。謎の液体を吸い上げた注射器を手に、犯人が解答を迫る一方で、薫を探す右京は少しずつ犯人の目的に近づいていく。暗号に秘められた本当の意味とは?シーズン4の第八話〜第十一話の脚本をもとに、全四話に再構成して小説化。
宮本教授によって発見された新種の蝶。その蝶を300万円で落札した男が殺された。一方、関係者に「これは新種じゃないんだ」と語った宮本の刺殺体が、大学の資料室で発見される。蝶をめぐる連続殺人の真相を追う特命係の杉下右京と亀山薫は、蝶の発見現場に着目するが…。シーズン4の第十一話〜第十四話の脚本をもとに、全四話に再構成して小説化。
ジャーナリストの長月菜摘は、学生時代の友人・薄井麻衣亜の夫のSNSから、彼女が幼い息子を連れて家庭を捨てたことを知る。夫も、両親も、友人も、同僚も、彼女が消えた理由を知らないというが、誰もが麻衣亜を失踪に駆り立てるだけの要因を持っていたー。アガサ・クリスティー賞受賞作家の新境地!現代女性が背負わされた見えない『重荷』の正体を抉りだす社会派本格ミステリー。
慶長五年(一六〇〇)夏ー。徳川家康と石田三成の対立は決定的となり、一触即発の様相を呈していた。反徳川の急先鋒である上杉景勝を討つべく家康は会津に向かう。利にさとい伊達政宗は伊達家の将来を家康に賭け、秀吉に愛娘・駒姫を処刑された最上義光も東軍へ与する。上杉家の重臣・直江兼続は、豊臣秀吉の恩顧に報いるべく、三成に呼応して西軍の旗を掲げる。やがて、“東北の関ケ原”とも呼ぶべき大合戦の時が近づいていた…。伊達政宗、直江兼続、最上義光という奥羽を代表する三人の武将の視点で、関ケ原合戦とほぼ同時におきていた奥羽の争乱をダイナミックに描く書き下ろし長篇歴史小説。
【文学/日本文学小説】本能寺の変を知り自刃を考えた家康に向かい、出入りの商人・茶屋四郎次郎は叫ぶ。信長への饗応費と家康への貸付回収、そして将来手にする利益のために、必ずや家康を三河に帰す、と。かくして茶屋は奉行となり、魑魅魍魎跋扈する伊賀の地を縦断する!
幸せな日常を断ち切られ、親に棄てられた女子高生たち。ネグレクト、虐待、DV、レイプ、JKビジネス。かけがえのない魂を傷めながらも、三人の少女は酷薄な大人たちの世界をしなやかに踏み越えていく。最悪な現実と格闘する女子高生たちの肉声を物語に結実させた著者の新たな代表作。
【文学/日本文学小説】奥多摩山中で瀕死の男性が発見された。警視庁刑事・荻大治郎は事件に食らいつくが、ある《極秘文書》の行方とからみ事態は複雑に。やがて政治家やスパイ、ホワイトハウスまでを巻き込み、1億3000万人の日本国民が凍りつくテロ事件が起きる……。
【文学/日本文学小説】右京は休暇を利用して大学時代の友人に会うためにアラスカを訪れるが、そこでは野生の熊に襲われる事件が起きていた。第2、第3の被害者が出るが凶暴な人食い熊は射殺され、事件は落着かと思われたところに……。スピンオフの第5弾、文庫化!
【文学/日本文学小説】新人警察官の柿田亮は、警官としての日々の仕事に悩みつつも、拳銃などを使ったハイジャックや立てこもり事件を解決する特殊急襲部隊『SAT』の隊員を目指す! 優れた警察小説であり、青春小説、成長物語でもある著者の新境地。
15年前の殺人を特命係に暴かれて逮捕された“閣下”こと北条晴臣。5億円の保釈金を払い、優雅に暮らす彼は、誕生パーティーに右京と薫を招待した。その場で美女との結婚を発表し、上機嫌の北条だったが、翌日、屋敷内で胸に剣の刺さった秘書が発見され…。右京が閣下の裏の意図を暴く!
大学生・池田の自宅アパートの郵便受けに投げ込まれた600万円の札束。それを警察に届け出た日を境に、彼の周りでは、次々と不測の事態が発生する。右京と薫は現金の出所を探すが、その金を巡る殺人事件まで発生し…。頭脳明晰な右京と冷静沈着な犯人との戦いが始まる!
【文学/日本文学小説】「映画化決定ね!」。高2男子・ナオトはこっそり描いていたマンガのネームを、映研で監督を務めているハルに見られてしまう。学生向けの賞を受賞している天才女子からのオファーに乗り切れないナオトの心の傷、ハルがひた隠す病……切ない映研の青春を描く。
【文学/日本文学小説】福島在住の芥川賞受賞の僧侶作家が7年かけて取り組んだ長篇小説。両親を震災で失った秋内圭は出家し、学生時代の仲間と再会しとまどいながら、故郷の竹林寺での暮らしをはじめる。フクシマに何が生まれたのか? 現代に生きる気弱なブッダの弟子たちの恋と煩悩を描く力作。
彼/彼女らの人生は重なり、つながる。隠された“因果律”の鍵を握るのは、一体誰なのかー章を追うごとに出来事の“意味”が反転しながら結ばれていく。数十年にわたる歳月をミステリーに結晶化した長編小説。