出版社 : 梓書院
泥に咲く泥に咲く
死んだら何もかも終わりなのだ。そのことが腑に落ちた。だからこそ、やりたいことはやっておかなければならない。やりたくないことに費やす時間は一秒たりともないのだ。じゃあ、これから先、やりたいこととはなんだ。もっと病院をつくることだ。理想の病院をつくることだ。それをこの目で見届けるまで、簡単に死ぬわけにはいかない(「プロローグ」より)。人は親を選ぶことはできない。しかし、生き方は選べるー。
家族家族
家族はそれぞれの形・在り方が異なっている。同じものなど存在しないかもしれない。昭和を生きて、著者自身の青年期の葛藤や、老いた両親、兄弟ら家族との確執をつぶさに見つめながら、その心情をユーモアを交えて紡ぎだす。7つの短編。
陽光陽光
壱岐島で暮らす、ごくごく普通の人々。しかし、その誰もが語るべき物語を持っている。「医師の家」の運命に翻弄される人と、一家をとりまく人々。フィリピンからやって来た一人の女性の淡い恋の記憶。軍人の父を持つ少女の強く、美しい生き様。島に暮らす人々に残る戦争の記憶…。島の空気、懸命に自分の物語を紡ごうとする人々の力強さ、はかなさ、愛おしさ。すべてが溶け合い、ひとつの歌を紡いでいく。プラダ・フェルトリネッリ賞(プラダ主催・国際文学賞)を受賞した著者、待望のデビュー作!
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