小説むすび | 出版社 : 紅龍堂書店

出版社 : 紅龍堂書店

王の庭師王の庭師

血と灰の上に、樹を植える ーーかつて火を放った地に、王は種を蒔く かつて火砕流で他国の兵を焼き尽くした王国アーレンベルク。 惨禍から五十年。平和を手にした国に、再び問われるのは「赦し」だった。 戴冠したばかりの若き王ソフィアは、祖先の罪を背負いながら、滅びの地に“樹”を植える森林再生計画を命じる。 実務を担うのは、東方から来たひとりの青年ーー紺鳶色の瞳を持ち、左頬に古い傷を刻む留学生、タツキ・アメミヤだった。 華やかな宮廷でも、剣や魔法の戦いでもない。 水と風と土、そして人間の矜持の物語。 自然と経済、政治と祈りが交錯するなか、 贖罪を願う少女と、権力を嫌う青年が巡り会う。 それぞれの信念を懸けて、森の奥へと踏み込んだ先にあるものはーー。 ◆世代を超えて、驚きの声続々 「どの登場人物も誰かを救おうとしている。優しいのに甘くない」 ーー20代女性 「娘を寝かせてから呼んだ。最後のページを閉じたあと、しばらく動けなかった。 大人になって、ファンタジーに心を奪われるとは思わなかった」 ーー40代・父親 「森が迫ってくる。土の匂いがする。 生態系の描写がリアルすぎて、『雪蛍』を昆虫図鑑で探してしまった」 ーー博物好きの読者 「文章が本当に美しい。自然も心も、生きて動いているようでした」 ーー80代女性 「私もアーレンベルク国立森林大学の学生になりたい」 ーー会社員 ◆幻のヴィッセン語、ついに書店へ これは現実か、それとも精巧な幻想忌憚か 5年前、小さな出版レーベルで試験的に刷られ、静かに完売。 「本当に物語なのか?」「どこの国の言葉なのか?」「著者は実在するのか」。 波紋のように広まった問題作が、今、幻想の彼方から新装版となって蘇る。 現代社会を鏡のように映し出す、重厚なロマンス・ファンタジー。  序章 祖国の春 第二章 アーレンベルクの森林職人 第三章 謁見 第四章 キルブルク森林組合 第五章 ロレーヌの使徒 第六章 月夜の邂逅 第七章 王の休日 第八章 冬の風 第九章 アデーレの森  終章 楢 参考文献一覧

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