出版社 : 角川書店
十九歳のジェイコブ十九歳のジェイコブ
コルトレーンの祈り、アイラーのうねりにも似た魂、そしてドラッグ。いかなるものにも癒されぬ渇きに呻きながら、19歳のジェイコブは、夏の日が撥ねる路上を、夜明けの海辺をさまよう。精緻な構成と力強い文体で、死によってしか完結しない愛と憎しみを描く長編問題作。
青い灯の館青い灯の館
湘南海岸にある古めかしい西洋館。館につきまとう過去の亡霊たちはいま青い灯をともす。自動車事故で演奏活動を断たれたヴァイオリニスト霧生冴子はこの館の主の一人娘美也のレッスンを頼まれた。破格なレッスン料、閉ざされた秘密の庭園、館の中でおこる数々の不可解な出来事。冴子の周囲は次第に暗い炎に包まれる。