出版社 : 言問学舎
騒々しい喫茶店騒々しい喫茶店
激しい情念を詠むことで知られる歌人石井綾乃が、短歌とはすこし異なる、内奥に秘めた情意や知性、またユーモアをぎっしりつめこんだ意欲的な作品集。軽い読み物の中に鋭い社会風刺や時勢への冷めた批判精神がちりばめられており、年代を問わず楽しむことのできる、170ページの中量本。 騒々しい喫茶店 目次 序文 小田原漂情 ハ長調の部 ふたごのゴリラ 騒々しい喫茶店 つくね君の仲間たち 住まい考 ルリカケス君のカレンダー トムソン君の地獄 太った浦島太郎 とんでもない小旅行 ベテルギウスの約束 こまめちゃんの舞妓修行 エアコン君との別れ ホコリーヌの闘い 進化したヨゴレイン 眠り姫 おからさんの買い物 うっかりねこ太郎 変ホ長調の部 化けものウツボカズラ 蕎麦っ食いのいかりさん 本格的なファミリーレストラン つまらなそうなサル いそぎ町動物園 老人亭 スーパーさんぼけ堂 あぶない病院 腹ペコくまさん 柴犬のあんぱん君 誘拐された小太郎 嬰へ短調の部 風吹き街 優しい噓つき 灯台守 わかばさん、もみじさん 英雄ガン太 リスの郵便屋さん 悲しいお人形 送別譜 下町のこふねさん ひぐらしの恋 子象のモンク ひとのいいカラス あとがき
たまきはる海のいのちをー三陸の鉄路よ永遠にたまきはる海のいのちをー三陸の鉄路よ永遠に
たまきはる(魂極る)=「いのち」にかかる枕詞。「魂」が「命」の限りまで燃え盛り尽きることをあらわす。生きてある者たちが、海の果てに思いを焦がし、やがてひとつの答えを見出すまでの彷徨を、今はなき三陸の失われた鉄路の上に描き出す、東日本大震災の犠牲者鎮魂と三陸縦貫鉄道顕彰の中編小説。三陸沿岸の各地と鉄道の貴重な写真を豊富に収載し、東日本大震災十年のときに捧げる、稀有なる一冊。
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