出版社 : 青山ライフ出版
永遠の天明期ー大江戸八百八町人物百景ー我らかく生けりー永遠の天明期ー大江戸八百八町人物百景ー我らかく生けりー
天明期における大江戸八百八町での二組の恋愛揺籃(町鳶と江戸奉公女、花魁と商家若旦那)を本作品の中心テーマーとして取り上げた。当時の社会的制約の中で彼らはどのように挫折を味わい、奮起して己を鍛え逆境を克服し、関係者を説得し、遂には夢幻同然だった恋を成就させていったのかを描く。
お呼びでしょうか -私は死神でございますーお呼びでしょうか -私は死神でございますー
自殺もしくは自死専門のエリート死神。五つの挿話の主人公に本編の死神が絡み、物語が展開していく。それぞれの挿話の主人公はすべて六十五歳以上の老人で、これまで懸命に生きてきたが、ときには運悪く、あるいは不条理な定めに翻弄され自ら死を望む。そのシグナルを天上の死神がキャッチし、娑婆に降りてきて、苦しみの負担を取り除き、心安らかに天上に導いていく。五つの物語に登場する老人たちの悲喜こもごもの人生の終活に、あるときは積極的に、あるときは少し傍観的に、死神が絡み合うという娯楽作品である。
水沼文三小説選集 失われた時を求めて水沼文三小説選集 失われた時を求めて
末っ子だった漱石、夏目金之助が母を失なったのは14歳のときである。プルーストは漱石・夏目金之助より4歳下である。プルーストも若くして最愛の母を亡くしている。後に、その満たされない母への思慕の思いが、文学作品に影響を与え昇華させたように思える。
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