出版社 : KADOKAWA
太宰治、坂口安吾とともに無頼派として活躍し、大阪という土地の空気とそこで生きる人々の姿を巧みに描き出した短編の名手による表題作を始め「夫婦善哉」「俗臭」「世相」など代表的作品を集めた傑作選。
全身に“脳瘤”と呼ばれる“顔”が発症する奇病“人瘤病”が蔓延した日本。人瘤病患者は「間引かれる人」を意味する「人間」という蔑称で呼ばれ、その処遇は日本全土で大きな問題となっていた。そんな中、かつて人瘤病の感染爆発があった海晴市で殺人事件が起きる。墓地の管理施設で人瘤病患者の顔が潰され、地下室では少女が全身を殴打され殺されていたのだ。容疑者は4人の中学生。さらに、事件の真相を見抜いた男は、逆上した容疑者のひとりに突き飛ばされ、机の角で頭を打って死亡してしまった……かと思いきや、死んだはずの探偵の身体に発症した、いくつもの“顔”が喋り始めーー。
外縁都市グラムENDの掃き溜め“猥路”。世界と隔絶された超最低なこの場所から、空に焦がれて一匹の溝鼠が外に出た。名はマリア・ローズ。何も持たないマリアは、外の世界で言葉を、友を、仲間を手にしていくー「僕が連れていく。きみたちを、外へ。死んじゃだめだ。生きよう」マリアは大切な人たちを守るため、人を喰らい街を破壊する“化物”に立ち向かう…!!美しく誇り高いマリアと仲間たちの最高な物語、新たなる幕開け。
15年の時を経て起きた、一家惨殺事件。謎が解決したと思いきや、新たな謎が……。イマドキの刑事と伝説の元刑事の迷コンビが謎を追う。予想もつかないラストが待ち受ける、衝撃の警察ミステリー!
二〇二〇年、人工知能と恋愛ができる人気アプリに携わる有能な研究者の工藤は、優秀さゆえに予想できてしまう自らの限界に虚しさを覚えていた。そんな折、死者を人工知能化するプロジェクトに参加する。試作品のモデルに選ばれたのは、カルト的な人気を持つ美貌のゲームクリエイター、水科晴。彼女は六年前、自作した“ゾンビを撃ち殺す”オンラインゲームとドローンを連携させて渋谷を混乱に陥れ、最後には自らを標的にして自殺を遂げていた。 晴について調べるうち、彼女の人格に共鳴し、次第に惹かれていく工藤。やがて彼女に“雨”と呼ばれる恋人がいたことを突き止めるが、何者からか「調査を止めなければ殺す」という脅迫を受ける。晴の遺した未発表のゲームの中に彼女へと迫るヒントを見つけ、人工知能は完成に近づいていくがーー。
【第22回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉受賞後第一作】 === 「ナバリ・イズミ神話大系」とも呼ぶべき独自の、魅力的な宇宙観。その新たな切り口から噴出する、新たな謎〈ミステリー〉と恐怖〈ホラー〉に戦慄せよ。 --綾辻行人 === 僕の姉は「取り替えられた」魔物なのか? 「マガイ」のおぞましい真実とは 「山に棲む『紛(まがい)』という魔性の獣が里の子供を攫って喰らい、己の子とすりかえる」「『紛』の子は見かけは人間だが、長ずるに従って徐々に獣の本性を表し、里に災いをもたらす」 現代社会では迷信扱いされる民話だが、鞍臥の人たちは今でも、心のどこかで信じている。なぜなら、あたしがその「マガイの子」だからだーー。 いまは東京で美大生をしている坂見風哩は、8年前に「お山」で従兄が惨殺された現場に立ち会っていた。従兄の死体は獣に食われたようだったが、風哩には事件時の記憶がない。腫物のように扱われる田舎を出たものの、不穏な出来事が周りで続いている。セクハラ教授とのトラブルで訪れた風変わりなスクールカウンセラーとの話で、夢に見る「マガイ」のことをついしゃべってしまい……。 一方、まだ鞍臥に住んでいる高校生の弟・怜治は、8年前に姉を助けてくれた円藤老人が、砂原という謎の研究者と最近共にいるのが気になっている。砂原ら「聖泉協会」の人間は「お山」の「磨崖仏」を調べているというのだが……。
希望、葛藤、想いーー 鹿の子がつむぐ物語。 ついに完結。 陰陽師家に縁づいた霊力なしの娘・鹿の子。 霊力はないが菓子を作らせれば天下一品。 神の御心をも落とす。 そしてついた呼び名は「かまどの嫁」--。 陰陽師家では今日も世継ぎ作りに余念がない。 最も縁がない側室、 かまどから離れられない鹿の子は、 ついに月明との恋を実らせることができるのか?! 心温まる和菓子と恋の物語、最終巻!
目を覚ますと、そこは見知らぬ世界。日本とは似ても似つかない異世界。その根底に流れる理は魔法。けれどコモンウェルスの第三王女、ヤーナ・ソブェスキとして生まれ変わった『彼女』は至極怠惰に現状を満喫すらしていた。…ロスバッハにパラダイムシフトの『銃声』が木霊するまでは。既存秩序は、ヤーナの安穏たる高等遊民生活の基盤は、革命を告げる銃声と共に飛散する。王位継承者の弟を支える立場として、歴史の表舞台に立った彼女は悟らざるを得ない。軍事力なき王家の権威は、いかほどの輝きを持ち得ようか?生き残りたければ、蛇とでも、悪魔とでも、握手しなければならない。己の故郷に迫りくる大洪水。それすなわち、後世の歴史書に曰く『銃魔大戦』。怠謀が絡み合う政略の行方は??有能ななまけものの未来はいかに!?カルロ・ゼン原作のフリーゲームを自らノベライズ!
2007年のゲーム発売以降、高い人気を保ち続け、アニメ制作も発表された「Dies irae」。その初となる公式ノベルが満を持してついに登場。誰も知らなかった新たな物語が動き出す!
悲哀にみちた人間ドラマ。温かな余韻が残るラスト。 『傍聞き』『教場』を超える、傑作ミステリ集! バレーボール全日本の女子大生・彩夏と、彼女を溺愛する医者の姉・多佳子。彩夏の運転で実家に向かう途中、ふたりはトンネル崩落事故に遭ってしまう。運転席に閉じ込められた妹に対して姉がとった意外な行動とは……(「涙の成分比」)。 命を懸けた現場で交錯する人間の欲望を鮮やかに描く、珠玉の六編。 「いつか“命”をテーマに医療の世界をミステリとして書きたいと思っていました。自分にとって集大成と言える作品です」--長岡弘樹
真実を引き受ける覚悟はあるかー姉を殺したのは実の父かもしれないと疑う、地回りの親分山越の娘、お夏。ある事件で身を損ね、人形師から芸人に転じた過去をもつ月草。やむにやまれぬ想いを抱え、客は今日もまことを求めてお華に会いにやって来る。でも真実は、知ってしまえば後戻りできない恐さもはらんでいて…たくみな謎解きと軽妙な掛け合いで江戸市井の悲喜こもごもを描き出す著者の新境地!
「ええな、抜け駆けと裏切りはなしやぞ」便利屋を生業とする長尾のもとに、ある社長令嬢の不倫現場を隠し撮りしたビデオが持ち込まれた。旧知の総会屋と手を組み、長尾は一獲千金をもくろむがーー(「地を払う」)。拳銃を運ぶチンピラ、盗品を売りさばく骨董屋、パチンコ店を強請る2人組。関西の裏社会でくすぶり続ける男たちが、9つの事件を巻き起こす。哀しくも愛すべき悪党たちを直木賞作家が描いた、出色の犯罪小説集。
「リセット」という一言で、世界は、三日分死ぬーー能力者が集う街、咲良田(さくらだ)に生きる時間を巻き戻す少女・美空と、記憶を保持する少年・ケイ。繰り返す日常は、若者たちに何をもたらすのか!?
幕末、開国を迫る列強の圧力が高まる中、長崎にやってきた檜山三四郎。豪商の遺児である彼は、勤王と佐幕に揺れる世情に身を投じていく。数奇な運命に彩られた、彼を取り巻く人物たちの行く末は?
英公使パークスの元に身を寄せた檜山三四郎は、薩長連合の秘命を帯び、両藩の巨頭に会うべく動き出す。阻止せんとする幕府の刺客との暗闘! 壮大な奇想と圧倒的なリーダビリティ。幻の傑作時代伝奇が遂に復刊。
2010年春、東北の港町・仙河海市の美術館で働く笑子は、教育者の両親を持ち、優等生を演じてきたため、心身に不調をきたすほどだった。副館長の菅原との情事の時だけが、生きている実感が持てた。しかし昔勤務していた中学校の教え子、祐樹との再会がそれを許さなかった。年の離れた2人の男性との激しい性愛に堕ちていく笑子。生命を燃やし、相手を求める笑子が、最後に決心したものとはー。肉体の純愛小説。
神話の島・姫島の取材中に、浅見が出会った理知的な美女・中瀬古朝子。郷土史を研究する彼女の案内で島を巡る際、島の名家の息子・優貴雄から脅迫を受ける。その後、帰京した浅見の元に届いたのは、優貴雄の惨殺死体が発見されたという知らせだった。さらに浅見の仕事仲間も姫島盆踊りの日に姫島で死体となって発見される。一連の事件の背後にある美しき島に蠢く恐ろしい陰謀とは!?そして浅見が暴く悲しき家族の真実ー。