出版社 : KADOKAWA
本当はずっと、さよならしたかったんだ。 ーー此見えこ史上最も切ない、「決別」と「再生」の物語。 博多に暮らす高校1年生の白崎結芽は、言葉を話すことができない。 中学時代のある事件をきっかけに、声を出せなくなってしまったのだ。 ある朝、どうしても学校に行けず教室から逃げるように訪れた公園で、不登校の中学生・くるみと出会う。 近い境遇に意気投合する2人だったが、くるみの兄は高校でアイドル的の存在の三年生・須賀雅也先輩だった。 2人との出会いで大きく動き出す結芽の人生。 しかし平穏な日々は唐突に、そして残酷に終わりを迎えるーー。 切なくも驚愕を伴うラストを、あなたは予想できるか。 儚くも美しい青春を描き切る、此見えこ新境地! 第一章 わたしの声 第二章 ひとりじゃない 第三章 好きなひと 第四章 ふつうのこと 第五章 つながる 最終章 この声で、伝えたい あとがき
しっかり者で正義感の強い羽澄は、父が亡くなって以来、母に心配をかけることをやめると誓った。中学時代に打ち込んでいたバレー部では、先輩から先生に告げ口をしたという濡れ衣を着せられてしまい、人間不信に陥る。なかなか人に心を開けない彼女は、高校で転校したことを機に、クラスになじもうとするも、やっぱりうまくいかない。そんな香澄に、サバサバした美人の藍田が声をかけてくる。「先生から仲良くしてくれって言われたから、声をかけた」と言い切る藍田に唖然とするものの、表面的にうまくやればいいやと割り切ってつきあう。そんなある日、小学校時代に引っ越しで別れた幼馴染の深町君と再会し、動揺する。離婚して離れて暮らしているものの、カメラマンである父を心から尊敬している深町君は、昔と変わらずカメラを構えていた。藍田に強引に誘われ、写真部に入部するはめになった香澄は、深町君に教えてもらって写真を撮る楽しさに目覚めていく……。 目次 放課後、レンズ越しの君と あとがき
防護も魔法も無視して命を奪う抵抗不能な現象『呪い』。 不運にもその呪いの荷運びを請けてしまった中年傭兵ジェイルは、命の危機を妖精のルルに救われる。 彼女はなんと、その呪いを丸めて食べてしまったのだ! 一族最後の生き残りだという彼女に気に入られ、ジェイルは国中に蔓延る厄災である『呪い』に深くかかわることになりーー? 世界中の事件や悲劇の元となる呪いを食べて祓う、中年傭兵×最強妖精の不思議な日々が始まる!
王都直下の流れ迷宮に突如出現した巨大な城と町。 そこにはまさかのゴブリンキングダム。神人、騎士団に冒険者も総動員しての大規模戦闘が開始! ネロも砦作りに偵察、仲間とともに攻め込んだりと大活躍。 だがそこに邪神の使徒までが現れ、いないはずの魔王まで出現してしまい……!? 一方地上では神猫商会の王都本店がオープン! 神様からの招き猫にモフモフも目白押し! 地上に地下にと大忙しの異世界モフモフ紀行第9弾!
「私、 また碁が打てるんだ!」--病気で命を落とし、政の行方を囲碁で決める世界に転移した中学生棋士の綺星は、驚くも心躍らせた。 そこでは囲碁の実力者たちが、負ければ「死」という真剣勝負を繰り広げていたのだ。そんなヒリヒリする戦いはむしろ望むところ。 嬉々として勝負魂に火がついた綺星は星天と名乗り、有力者に食客として迎えられると、数々と立ちはだかる難敵に果敢に挑んでゆく ーー囲碁がすべての異世界で頂点を目指す、天才少女の痛快成り上がり。 第一章 星天/第二章 棋礼戦/第三章 方円杯/第四章 白棋士試験 本戦/第五章 動乱
勝率9割6分2厘、江戸相撲最強の力士・雷電為右衛門。その雷電が唯一、二度敗れた相手がいた。相手の名は花頂山。後世に伝わる花頂山との戦績は、3勝2敗、そして二人の最後の取組となった1預り(その場で勝敗を付けず、保留とすること)。その1預りには、藩の思惑と力士の誇りがぶつかり合う、隠された物語があったーー。 江戸時代の相撲は藩の威信を懸けた代理の戦。松江藩の江戸留守居役・石積多平太は、藩主・松平不昧が力を入れる相撲力士の育成に関わることに。過去のある出来事から相撲を憎む多平太だったが、松江のお抱え力士・雷電爲右衞門の圧倒的な強さを前に、徐々に相撲に魅入られていく。あるとき、雷電は、庄内藩の幕下力士、花頂山に敗北を喫し、更に次の場所でも花頂山に敗れてしまう。それは、相撲藩・松江藩にとっては、起きてはならぬ一大事であった。各藩の思惑渦巻く土俵の上で、雷電と花頂山は何を思うのか。藩の威信、そして一人の力士としての意地を懸けた、両者の最後の一番の行方はーー。 序 第一章 土俵の外 第二章 因果の邂逅 第三章 申し合い稽古 第四章 疑惑の勝敗 第五章 横綱の行方
北海道の小麦農家でのびのび育った18歳の唯吹。 幼少期に祖母と行ったリサイタルで美しい歌声に感動し、歌うことが大好きになった。 けれど、あの声を出したいという願望と、舞台に立ちたいと思うことは結びついていなかった。 あの日まではーー。 憧れのひとを追いかけて、地元のオペラハウスのオーディションを受けると、知識不足でありながらも、特別な声で審査員を魅了する。 技術不足が理由で不合格となるが、アンバーオペラハウスのサマープログラムへの推薦をもらうことに。 優勝者はあのアンバーの研修生に選ばれるのだ。 自分の“楽器”と向き合い懸命にくらいつく唯吹だが、進むにつれて大切な仲間との別れもある。 果たして栄光を手に入れることができるのかーー 「わたしはなりたかった。音楽をするために生まれてきたひとに」 【全国の書店員さんから感動の声が続々!】 〇「 手に汗握るオーディションシーンに惹き込まれます。全力で推したくなる主人公です。 」 書店員 高頭佐和子さん 〇「 人と触れ合い、わかろうとする。今の時代に必要な物語。 」 オックスフォード貝津店 山本聡さん 〇「 全編に流れる心地いい旋律が涙を誘います。 」 BOOKSえみたす大口店 近藤さん 〇「 決してシンデレラストーリーではない自己の葛藤や成長がよく描かれている作品だと思います。 」 未来屋書店日の出店 關在我さん 〇「 人生を紡ぐ出会いの大切さをあらためて実感しました。 」 ブックスジュピター 林貴史さん 〇「 歩み続けた先に見えた勝敗よりも大切な心に、はっと目が覚めるようでした。 」 紀伊國屋書店福岡本店 宗岡敦子さん 〇「 不思議だ。オペラを目指す青春小説なのに土の匂いがする。 」 精文館書店中島新町店 久田かおりさん
神殿で働く祈祷師・アルマの元に残忍で冷酷、さらに女癖も悪いと噂の辺境伯・ジグルドとの結婚の話が舞い込んできた! 結婚に反発し、自らの悪評を流していたアルマだったが、とある事情で結婚を受け入れる…… お互いをよく知らないまま始まった共同生活! 一緒に暮らしていくうちにふたりの距離が縮まる……ようで縮まらない! 「……平民の、女心とは、なんだ」「それ、わたしに聞く?」 ふたりの気持ちはすれ違うばかり!! ある日、アルマが何者かに誘拐されてーー! 隠していた“過去”を知られてしまい…… 「汚いわたしを、ジグルドに見られたくない」 神殿に戻る決意をしたアルマに、ジグルドがとった行動、それはーー!?
お互いをよく知らないまま始まった祈祷師・アルマと辺境伯・ジグルドの共同生活。 誘拐事件を機にジグルドへの気持ちに気づいてしまったアルマ。 だけど彼には想い人がいる……と気持ちにふたをしたまま日々を過ごす。 一方のジグルドはアルマと親しくなろうと奮闘! 「今晩私と、夫婦らしいことをどうだろうか」 決死の覚悟で想いを伝えるも、言葉足らずで届かない…… そんなある日、ふたりは森で天狼に襲われて!? ジグルドを救うためにアルマは祈祷師としての力を振り絞るーー! しかし、天狼を退けた代償に大きな犠牲を払う。 「もう、自分は必要ないーー」 アルマは婚約の解消を申し出て、神殿へ戻ることを決意。 別れの夜、ジグルドから衝撃的なことを提案されーー!?
騎士団で文官として働くエメリアは、モテモテの騎士である伯爵令息オスカーが、自分に嘘の愛の告白ーー『嘘告』をするよう周囲に持ち掛けられているのを聞いてしまう。後日、オスカーは本当に告白してきたが、エメリアは嘘と分かりながらも受け入れる。実はエメリアは半年後には田舎に戻り、親の求める相手と結婚をすることになっていたのだ。『嘘告』じゃない限り彼が自分と付き合うはずがない。そしてネタ晴らしは退職の前日の夜会。だから、期間限定の偽りの恋人関係を全力で楽しもうと決めたエメリアだったがーーオスカーは想像以上の溺愛を浴びせてくる!? まるで本当に愛しているような彼の言動に翻弄されるエメリアだが、それを面白く思わない同僚の令嬢から嫌がらせを受け……。 努力家文官と執愛系貴族騎士の、嘘から始まる極上異世界オフィスラブ!
「貴方を、軽蔑します」--公爵令息アベイルの護衛任務を命じられた第三騎士団の騎士カインは、着任早々アベイルにそう告げた。なぜなら彼は、王女の婚約者ながら、彼女を害そうとした罪で婚約破棄され、辺境地へ追放される「悪役令息」であった。護衛中、父親の宰相からの刺客に命を狙われる不穏さは有りつつも、辺境では悪評とは裏腹に真剣に領地経営に取り組むアベイルに高潔な人間性を感じ、次第に惹かれていくカイン。彼の自身を顧みない世捨て人のような態度が放っておけず、カインはアベイルに尽くしていくが、アベイルの命を狙う謀略が、否応もなく彼らを襲いーー!? しかし、カインがアベイルを愛したことで、運命が大きく変わり始めてーー。
ダンジョンが出現した現代で最強探索者をしている夜桜猪王は、 推しのVTuberによる「ダンジョン産のグルメを食べたい」の一言で自らもVTuberデビュー! 規格外のネタ企画や、探索者のチートスキルで常に話題沸騰の猪王。 ある日、アメリカのダンジョンでモンスター災害が発生! 人命にかかわる被害を食い止めるため、猪王に白羽の矢が立てられた。 「モンスター退治の条件として、猪王が提示したのはーー大統領とのコラボによる討伐配信だった!?」 前代未聞のライブ配信をご覧じろ! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ■期間限定特典:『推しにささげるダンジョングルメ』書き下ろし短編小説 大好評につき、WEBで読める期間限定公開の書き下ろし小説 第3弾!! ※閲覧期限は2026年3月30日まで ※ご使用端末によっては読み取れない場合がございます ※パケット通信料を含む通信費用はお客様のご負担となります ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダンジョンが存在する世界で錬金術師となった少女蒼唯。ネットで買ったダンジョン素材を使ったハンドメイドの作品を、自身のページで売ったりネットの知り合いにプレゼントする事が彼女の趣味。だが蒼唯の作る作品はそのかわいい見た目に似合わず、唯一無二の異次元の性能を持ったものばかり。そんな趣味を邁進する蒼唯の周りには様々な思惑を持った者たちが集まってくるのであった。これは蒼の錬金術師として、やがて世界を救うかもしれない少女のお話。
魔王軍残党とも和解を果たし、世界が本当に平和になってしまった。せっかくもらったリゾート地コハネを満喫したいと考えたセレス。静子さん達四人と、マリアーヌさん達三人(+従者)とそれぞれ別の癒し旅行をすることになった。静子さんら初恋の年上妻達とは、山と湖にほど近い老舗風旅館で日本風の着物と温泉旅行に! マリアーヌさんらの聖女+王族の妻達とはこの世界の最新鋭設備を揃えたスパリゾートへ! そこで魔王を退治するより厳しい難問がセレスの前に立ちはだかるーーすなわち誰が一番セレスのお気に入りなのか? 選んでも選ばなくても惨事が目に見える選択肢を突きつけられ、セレスの出した答えとは? 追放された少年の異世界ママハーレム、平和満喫の第4弾!
山々に囲まれた田舎町・戎ヶ丘。寂れゆく町で、学生の深水雛子は行き場のない思いを抱えていた。その日の朝、雛子は行きつけの駄菓子屋で同級生たちと合流し、他愛ない話に興じていた。閉塞感はあるもののそれはいつもの日常のはずだった。その化け物が現れるまではーー。大人気サイコロジカルホラー、日本を舞台にした待望の最新作を完全ノベライズ!
* … ** … ** … ** … ** … ** … ** … ** … * ーー比名子。やはり君は私にとって大切な存在です そして願わくばーー * … ** … ** … ** … ** … ** … ** … ** … * 【描き下ろし漫画も収録。 究極の「わたたべ」ノベライズ!】 ◇第一章 水沫の夢 比名子が家族と過ごす幸せ、 けれどそこは妖の夢の中で……。 ◇第二章 かしましい夜 三人寄れば、かしましい! 秘密のパジャマパーティーが開かれる。 ◇第三章 追憶の陽だまり これは十年ほど前。 比名子がまだ幼い頃の夏の物語。 ◇第四章 雪解けと愛しき獣 何百年も昔に生まれ落ちた妖狐。 いつしか人間との愛を知りーー ◇第五章 夢は遠く、君は隣に 三枚の映画チケット。けれど汐莉は 乗り気ではないようで……? 第一章 水沫【すいまつ】の夢 第二章 かしましい夜 第三章 追憶の陽だまり 第四章 雪解けと愛しき獣 第五章 夢は遠く、君は隣に
隣国に長期留学していた侯爵令嬢のエリーゼは王太子の誕生日パーティーを機に帰国。 王弟で軍隊長のアンリと再会する。十年ぶりに会った憧れの男性は歳を重ねて魅力的なオジサマになっていた。 幼い頃から彼に好意を伝えていたエリーゼは積極的にアプローチを開始するが、彼の態度に壁を感じてしまう。 諦めずに押しかけていると「後悔してもしらないよ」と色気を全開に熱くキスしてきてーー。
Don‘t Blame Yourself! セクハラ、パワハラ、カスハラ、人種差別に事なかれ主義やポジティブ教の上司まで。 ジョブには最低なものとの戦い(ワーク)がつきまとう。 ホールスタッフ、激安量販店の店員、屋敷の掃除人にローンの督促人etc. 「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々のシット・ジョブを軸に描く、自伝的小説にして魂の階級闘争。 「あたしたちは負債の重力に引きずられて生きている。」 だが、負債を返済するために生き続けたら人間は正気を失ってしまう。シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。 店員やケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。 他者のケアを担う者ほど低く扱われ、「自己肯定感を持とう」と責任転嫁までされる社会。自らを罰する必要などないのに。 働き、相手に触れ、繋がる。その掌から知恵は芽吹き、人は生まれ直し、灰色の世界は色づく。 数多のシット・ジョブを経た著者が自分を発見し、取り戻していった「私労働」の日々を時に熱く、時に切なく綴る連作短編集。 みんな誰かに負債を返すために生きている。それこそが、闇だ ■面倒を避け続ける職場では、いいことは悪いことになり、悪いことがいいことになる。 ■上から目線の人々は、あまりに視線の位置が高すぎて、その位置から下の人間の姿が見えてない。だけど、なんとなく下のほうに人がいる気配がするので、とりあえず声はかけておくが、相手の姿は見えないし声も聞こえないのだ。 ■嫌と言えない理由があるから貸すのであり、返さなくてもいいという暗黙の了解もあるのだ。こういう特殊な取り決めが成り立つ関係を、家族と呼ぶのだろうか。 第一話 ママの呪縛 第二話 失われたセキュリティを求めて 第三話 アジアン・レストランの舞台裏 第四話 ある見習い掃除人の手引書 第五話 店長はサクセスお化け 第六話 ある督促ガールの手記 あとがき
「わたしはこの世界から、虐めを一つ残らずなくしたいと思っているんだ」 どこか湿り気のある秋の匂いが漂うある日、私の最愛の友人である睡蓮は、そんな理想を語った。 私は彼女の力になりたいと思い、“何か助けになれないか”と願い出るーー けれど……睡蓮は、自殺してしまった。 壊れゆく日々と、 終わりゆく私たち。 そうして私は、隠されていた“真相”へと辿り着くーー 第9回カクヨムWeb小説コンテスト「映画・映像化賞佳作」作品。 プロローグ 一章 睡蓮の理想 二章 琴子の決断 三章 二人の記憶 エピローグ