1988年5月23日発売
遠来の客たち遠来の客たち
「昔バビロンでは、結婚前夜、処女売春をしなければならぬという規約があった。彼女達は、夜の神殿の付近に黙せる白い花のように立って、その足もとに多少にかかわらず、金銭を置いた男に処女を与えるのである。そしてこの男から渡された金は、彼女らの手でさらに神に捧げられるのであった」。なぜ叔父はそんな話を聞かせたのか。密かに妙子が恋する叔父は、彼女を買いに来る男か、神か…。(『バビロンの処女市』より)芥川賞候補作『遠来の客たち』を始め、著者20代の記念碑的傑作集。
巨魚伝説巨魚伝説
ぐらりと赤い不思議なものが自ら湾曲し、水飛沫が上がった。やっぱり魚類だ。だが鮭ではない。鮭はこんな鮮明な赤地ではない。それに鮭が丸木舟のように2メートルを優に超えるはずがない…。山形・鳥海山麓の湖で、北峰太郎彦は思わずわが目を疑った。村人の誰もが信じなかった伝説の巨魚〈アカノスケ〉がその雄姿を現わしたのだったー。祖父、父、そして太郎彦の親子3代が巨魚に挑戦するさまを、気鋭の新人が劇的に描く感動の冒険小説、登場。
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