1990年4月25日発売
依頼人の娘依頼人の娘
8月の晴れたある日の午後、母妙子が殺害された。それは娘の美幸にとって、あまりにも残酷な出来事であった。死体の第一発見者は、会社を早退し帰宅した父陽助。警察は初め陽助を疑っていたが、彼には確固としたアリバイがあった。だが、父や姉の態度に不審を抱いた美幸は、陽助が会員になっている「探偵倶楽部」に調査を依頼した。一方、警察は、妙子には駆け落ちを約束したカルチャーセンター講師の中野という愛人がおり、心変わりを責められて中野に殺されたという結論に達したが…。政財界のVIPのみを会員とする「探偵倶楽部」が鮮やかに難事件を解決する、表題作『依頼人の娘』他4編を含む、長編連作推理。
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