1991年2月13日発売
凶器のように愛凶器のように愛
思いもよらない事件が発生した。走行中のトラックから冷凍胎児が落下し、直後、運転手が毒殺されたのである。黒い噂のある光陽医科大付属病院長・森岡剛造との関連が浮かんだが、彼もまた、毒殺死体となって上高地で発見された…。事件の鍵を握るのは森岡の愛人ただ一人。だが、彼女には殺人を犯し得ない完璧なアリバイがあった。やがて、第三、第四の殺人が…。法廷推理の第一人者が、上高地・京都・東京を舞台に、二重、三重のトリックで描く傑作長編本格推理。
日本剣鬼伝宮本武蔵日本剣鬼伝宮本武蔵
関ケ原の合戦が終結して五年。世に溢れた浪人は、“武芸者”として名を上げなければ生きられぬ時代であった。慶長十年十月、宮本武蔵という無名の武芸者が、京都の吉岡憲法に挑戦状を叩きつけた。憲法は代々、足利将軍剣術指南を仰せつかってきた名門であった。同じ頃、美作・宮本村出身の武蔵は、同姓同名の剣の達人の噂を聞きつけ、京に向かっていた…。世に名高い一乗寺下り松の決闘を軸に、従来の武蔵像を覆す独自の史眼で描く“日本剣鬼伝”シリーズ第一弾。
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