1991年9月25日発売
哀しい予感哀しい予感
弥生はいくつもの啓示を受けるようにしてここに来た。それは、おばである、ゆきのの家。濃い緑の匂い立ち込めるその古い一軒家に、変わり者の音楽教師ゆきのはひっそりと暮らしている。2人で過ごすときに流れる透明な時間。それは失われた家族のぬくもりだったのか。ある曇った午後、ゆきのの弾くピアノの音色が空に消えていくのを聴いたとき、弥生の19歳、初夏の物語は始まった。大ベストセラー、そして吉本ばなな作品初の文庫化。
個人教授個人教授
桜の花が咲くころ、新聞記者を休職中のぼくは一つ年上の女とある酒場で再会し、一夜をともにする。そして、数カ月後、酒場に再びぼくが訪れた時に聞いた噂は、28歳の彼女は妊娠しているというものだった。しかも、彼女は行方不明。父親はぼくじしんなのか?なら、なぜ彼女はぼくに妊娠していることを知らせないのか?教授、魅力的な夫人、17歳の少女、悲しみも夢も希望もある風に吹かれる人々とめぐり会いながら、彼は彼女を追う。まさに、ガール・チェイス・ストーリー!青春小説の旗手が描く傑作長編小説。
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