1994年2月4日発売
ベスト・フレンズベスト・フレンズ
もしかしたらぼくは心のどこかでこういう悲劇的な出来事を望んでいたのかもしれないー。絶大な〈力〉に対する少年の畏怖と屈辱を描いた『16の夏』のほか、それぞれの性のかたちを斬新な感性で切りとった3編を収める。
夏期休暇夏期休暇
「きっと、兄はあの帽子を持って来てくれる。」-千波矢が初めて兄の幻影と出逢ったのは、一羽の鳶の比翼が岬の空家の庭から帽子を舞い上げた夏の一日だった。空家に住み始めた少年や仔犬との交流を描く長野ワールド書き下ろし作品。
天才と狂人の間天才と狂人の間
少年時代から自分を天才と信じた島田清次郎が、弱冠20歳で世に問うた長編小説『地上』は記録破りの売行きを示し、彼は天才作家ともてはやされ、いちやく文壇の流行児となった。しかし、身を処する道を誤まり、またたく間に人気を失い、没落した。本書は、島田清次郎の狂気にも似た足跡を克明にたどり、没落のよってきたるところを究めようとした、直木賞受賞の傑作伝記小説。
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