2001年10月24日発売
皸・別れの稼業皸・別れの稼業
探偵・浅生、32歳、元商社マン。時として、身体を張って調査をすることもある。時々部屋に泊まりに来る女。彼女は浅生が街に詩を書いている、と言う。どこか心に洞を抱え、心の飢餓感を扱いかねている。そんな人々を放置できないだけなのだ。暴力と叙情を内に秘め、緊迫した文体で綴る。都会に生きる男と女の心の皸を直視するハードボイルドの名編。浅生シリーズ第2作。
なんて遠い海なんて遠い海
男から与えられる愛では満たされないことに気づいてしまった女、婚約者がいながら別の男に惹かれてゆく女、平穏な結婚生活の中でひと夏の記憶を辿る女…。ささやかだけど穏やかな幸福に包まれていても、どこか満たされない。心の奥底にひりつくような渇きを抱えて生きる女の日常に小さなさざ波をたてるのは、それもやはり“愛”。よせては返す波にも似て、果てなき海にまどう九つの愛のかたち。
惣角流浪惣角流浪
会津の戦塵がおさまり、武士の世が終焉を迎えた頃、少年は武術に生きる決意を固めた。触れるだけで相手を投げ飛ばす奇跡の武術、大東流合気柔術の中興の祖・武田惣角の波瀾の青春。(解説・夢枕 獏)
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