2001年3月25日発売
ベルリンの秋(上)ベルリンの秋(上)
「プラハの春」から半年後。外交官・堀江亮介は、初恋の人「リョウ」への想いから失語症になったシルビアと再会。言葉を取り戻した少女を「もう逢えない」と突き放す。帰国後結婚した亮介だが、五年後シルビアの住むDDRへ赴任することにー。一方、ソ連崩壊を予測する秘密報告をめぐり東西両陣営では様々な憶測が飛び交っていた。東独を舞台にした国際政治サスペンス、哀切なラブロマンス。
ベルリンの秋(下)ベルリンの秋(下)
国際的なマヌカンを夢見るシルビアは、亮介との関係からスパイ容疑をかけられ、出国査証を拒否される。やむなく不法に「壁」を越えようとして失敗、将来への希望を絶たれて思い悩む。一方、DDR国家元首ホーネッカーはイデオロギーの引き締めに乗り出すが、歴史の潮流の中でDDR破滅の筋書も確実に動きだしていた。亮介とシルビアの愛のゆくえは?そして「壁」を突き崩す壮大な陰謀とは。
血い花血い花
わたしは銀座のホステス。わたしは韓国人。帽子職人だった母が死んだとき、お得意だった斎藤家のお屋敷に最後の帽子を持って行く。斎藤家の一人息子の誠は、わたしの幼なじみだ。その誠からの求婚。しかし彼がわたしの職業と国籍について「口をすべらせるな」と言った瞬間、わたしは誠の“姿”を永遠に見失った。柔らかな心で、現実を見据えた力作。他に短篇6本収録。
瘋癲老人日記改版瘋癲老人日記改版
七十七歳の卯木督助は“スデニ全ク無能力者デハアルガ”、踊り子あがりの美しく驕慢な嫁颯子に魅かれ、変形的間接的な方法で性的快楽を得ようと命を賭けるー妄執とも狂恋とも呼ぶべき老いの身の性と死の対決を、最高の芸術の世界に昇華させた名作。
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