2002年1月8日発売
日本の近代 猪瀬直樹著作集3 マガジン青春譜 川端康成と大宅壮一日本の近代 猪瀬直樹著作集3 マガジン青春譜 川端康成と大宅壮一
雑誌の黎明期を駆け抜けた二つの才能と、その哀感を描く、青春小説 ノーベル文学賞作家・川端康成と「マスコミの三冠王」といわれた大宅壮一は、ともに大阪・茨木中学出身。家庭的に恵まれず、子供らしい経験のないまま成長していく二人は在学中に顔を合わせることはなかったが、ともに雑誌への投稿に熱中、文学界への憧れを抱く少年だった。紆余曲折を経て上京した二人は、作品が認められない不安や経済的な苦労に追われる無為な日々を過ごすが、同時代を駆け抜けた芥川龍之介、菊池寛、横光利一といった作家たちの交流の中で、徐々にそれぞれの才能を開花させていく。現代の情報化時代の原点ともいうべき、大正時代の雑誌出版草創期の時代精神を背景に、不世出の天才が世に出るまでの闘いを描いた青春小説。
黒いトランク黒いトランク
格別の評価を得る推理小説の一大傑作。一九四九年十二月十日、東京・汐留駅に届いた大型トランクのなかから、男の腐乱死体が転がり落ちた!容疑は当然、九州からトランクを発送した近松千鶴夫にかかったが……彼もまた、瀬戸内海上に漂う死体として、岡山県で発見されたのだった!真犯人が構築した純度百パーセントの難事件。鬼貫警部に勝算はあるのか……!?最高傑作の呼び声高い作品を、初刊当時の形で文庫化、トリック詳解を付す。
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