2002年11月22日発売
島原の乱に敗れ、かろうじて生き延びた天草側の軍師、森宗意軒は、幕府への復讐を誓い、死者再生の秘法「魔界転生」を編み出した。それは、現世に不満を抱く希有の生命力の持ち主を魂だけ魔物にして蘇生させるという桁はずれの超忍法だった。これにより次々と魔界から蘇る錚々たる武芸者達。彼らを操り、紀州大納言頼宣をそそのかした森宗意軒は、さらに由比正雪を手先として本格的に幕府転覆に乗り出した…。驚愕と戦慄の連続。息もつかせぬ展開。天才山田風太郎の最高傑作。
幕府転覆を企む森宗意軒の野望阻止に柳生十兵衛は敢然と立ち上がった。敵は天草四郎を筆頭に、宮本武蔵、荒木又右衛門、柳生但馬守、柳生如雲斎…。秘法「魔界転生」によって蘇り、生前と同じ容貌、剣技を持ちながら、この世のあらゆる道徳に背反する魔人たち。隻眼まなじりを決し、孤剣を抱いて十兵衛は、殺戮マシーンと対峙してゆくが…。史上最強の殺人集団と十兵衛との壮絶無比の大死闘。群を抜く着想と圧倒的なスケール。剣豪小説、伝奇小説の極北として屹立する、日本エンタテインメント界の金字塔。
畑山恵利・31歳。小学校の女教師であり、エンジニアの妻、そして3歳の珠子のママー。しかし彼女の幸せな人生は、学芸会の日、ひょんなことから犯罪組織の大ボスの命を救ってしまった瞬間、大きく狂い始める。殺し屋につけ狙われ、警察にも指名手配されて逃亡生活を余儀なくされる恵利。なんで私ばかりがこんな目に!?裏切られ、傷つきながらも自分を失わず、逞しく七変化していく一人の女性を追った、息もつかせぬハイパー・サスペンス。
あんちゃんが倒れた。どうやら本屋の経営で並々ならぬストレスを抱えていたらしい。代わって倫太郎たちが学校廻りの営業を引き受ける次第に…。度重なる少年たちの暴力沙汰に具体的な対応を出せないでいる中学校に対し親、生徒たちの不満は高まっていく。倫太郎、青ポン、ミツル、タケやんにルイが加わり、自分たちに何ができるかを模索し始める。中学校の現場を鋭く問う、感動のライフワーク・シリーズ第六弾。
毎年、九月末になると「白河庭園」で行われる、虫聞きの会。もう二十年近くも続いているという、そんな風流な催しに、僕が行く気になったのは、一にも二にもクドウさんのためだった。毎年家族で訪れているというクドウさんと偶然を装って会うはずだった。それなのに…。-殺されたのはクドウさんの従姉だった。事件は思いがけない方向に進んでいき無責任な噂があとを絶たない。僕は親友の島崎と真相究明にのりだした。大好きな彼女は僕が守る。