2002年5月24日発売
横浜テレビの看板レポーター山名めぐみが殺された。最後に取材したVTRを見た浅見光彦は彼女のインタビューが事件の鍵を握ると睨む。「赤い靴」と「青い眼の人形」、二つの童謡に隠された謎とは?また金沢八景で死んでいた会社員浜路恵一と事件の関連とは?異国情緒漂う横浜の街を舞台に、テレビスタッフの藤本紅子、浜路の娘智子、浅見の三人が事件の真相を追う。
「やめろ!そいつと結婚しちゃいかん!」かの名画『卒業』のラストシーンそのままに、恋人がヴァージンロードから花嫁を奪い去る。しかし翌日には、純白のドレスを真っ赤に染め上げた死体が発見されて…。ドラマチックな仕掛けに、一筋縄ではいかない男女の情を鮮やかに描きあげて意表をつく表題作ほか、上司と部下・同僚・夫婦など、さまざまな人間関係のもたらす愛憎劇を見事に浮き彫りにする読みきり傑作短編、全五話を収録。
勤め先の二階にある「名探偵・巫弓彦」の事務所。わたし、姫宮あゆみが見かける巫は、ビア・ガーデンのボーイをしながら、コンビニエンス・ストアで働き、新聞配達をしていた。名探偵といえども、事件がないときには働かなければ、食べていけないらしい。そんな彼の記録者に志願したわたしだったが…。真実が見えてしまう名探偵・巫弓彦と記録者であるわたしが出逢う哀しい三つの事件。
「私は断じて愉快犯ではない」-世間を恐怖に陥れている連続婦女誘拐殺人事件。少女惨殺の模様を克明に記した犯行声明が新聞社に届けられた。ところが、家族や捜査陣の混乱をよそに、殺されたはずのその少女は無事戻り、犯人とされた男は自殺、事件は終結したかに思われた。しかし、事件はまだ終わっていなかった。捜査を担当している佐原刑事の娘が誘拐されたのだ!しかも、犯人は衆人環視のなかで身代金を運べと要求する…。犯人の目的はいったい何なのか?刑事たちを待ち受ける驚天動地の結末とは!?偉才が放つ奇想のミステリ。
母さんと父さんは今年で結婚十五年目、僕は中学一年生でサッカー部員。そんなごく普通の平和な我が家に、ある日突然、暗雲がたちこめた。“放浪の相場師”とよばれた人物が母さんに五億円もの財産を遺贈したのだ。お隣さんや同級生は態度がかわり、見ず知らずのおかしな人たちからは脅迫電話があり、おまけに母さんの過去を疑う父さんは家出をし…。相場師はなぜ母さんに大金を遺したのか?こわれかけた家族の絆を取り戻すため、僕は親友で将棋部のエースの島崎と真相究明の調査にのりだした。