2003年8月23日発売
陰陽師鬼談 安倍晴明物語陰陽師鬼談 安倍晴明物語
そこに立った子は、ふしぎな面立ちをしていた。最近、都で流行りだした舞楽の面のようだった。風が吹くと、赤毛がふわりとふくらむ。異国の香りをただよわせるその風貌には、高貴なたたずまいと、おそろしく異質な妖怪の気配とが同居していた。これからお話しするのは、今をさかのぼる千年前、平安の世で活躍した陰陽師・安倍晴明の秘められた物語である。それでは、長いながい占術の歴史をひもといていくことにしよう…。陰陽道にたいする膨大な知識を駆使して綴られた、安倍晴明の一大物語。
一瞬の光一瞬の光
三十八歳という若さで日本を代表する企業の人事課長に抜擢されたエリート・橋田浩介。彼は、男に絡まれていたところを助けたことがきっかけで、短大生・中平香折と知り合う。社内での派閥抗争に翻弄されるなか、橋田にとって彼女の存在は日増しに大きくなっていった。橋田は、香折との交流を通じて、これまでの自分の存在意義に疑問を感じ、本当に大切なことを見いだしていくのだった…。-混沌とした現代社会の中で真に必要とされるものは何かを問う、新たなる物語。各紙誌書評で絶賛と感動の声を集めた気鋭のデビュー作、待望の文庫化。
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