2007年1月25日発売
会社のOB会で拾う不満のタネ。退屈な隠居部屋でうごめく春機。必死で守り抜いた暮らしを全取っ替えしたい衝動ーある日を境に永年の職場を失った男たちが引き起こす生々しい事件と犯罪。諦めと寂しさ。執着と滑稽。彼らの孤独な姿を、懐かしい昭和日本の風景と共に見事に描き切った清張文学の真骨頂である。秀逸な短編を次々著した昭和30年代作品群の中から人生の晩節をテーマに選び抜いた、粒ぞろいの短編集。
トラウマは本当に人の人生を左右するのか。両親との辛い別れの思い出を胸に秘め、航空機爆破計画に立ち向かう岬美由紀。その心の声が初めて描かれる。シリーズ600万部を超える超弩級エンタテインメント!
消えるマントの実現となる恐るべき機能を持つ繊維の開発が進んでいた。一方、千里眼の能力を必要としていたロシアンマフィアに誘拐された美由紀が目を開くと、そこは幻影の地区と呼ばれる奇妙な街角だったーー。
高温でなければ活性化しないはずの旧日本軍の生物化学兵器。折からの気候温暖化によって、このウィルスが暴れ出した! 感染した親友を救うために、岬美由紀はワクチンを入手すべくF15の操縦桿を握る。
妊娠8ヶ月、それなのに入籍も同居も決められないままの美咲。ふと手にしたネガのフィルムから、思い出が鮮やかによみがえる。過去の愛、今の幸せ、その間に置き去りにされたのは、こころー。表題作「白い月」のほか、妊娠、出産という女のドラマを軸にした短篇全8編。からだの変化とともに変容してゆく愛のありようを細やかにつむぐ。
妻が稼ぎ、夫が子育て。イマドキ夫婦の実態は!? 三高キャリア美女と三低オタクライターがなぜか恋におちて結婚。だけどかみあわない二人の結婚生活はてんやわんや!? イマドキカップルの結婚、出産、子育てを描く傑作コメディ。(解説/藤田香織)
廃止寸前のオンボロ地方競馬場。賞金は激安、集まるのは他で勝てなくなった馬ばかり。しかし、若手ジョッキーの一輝はそこで世界制覇の夢を追い続けていた。彼は、持ち前の「豪腕」で馬にラストスパートをかけさせる戦法で勝ち星を重ね、大レースに出るチャンスをつかむ。だが直前で落馬事故に遭ってしまいー。逆境に負けず、勝利を信じて疾走し続ける騎手を描いた青春小説。文庫書き下ろし。
疾風怒濤の開拓期を生きた、この破天荒な人生!著者渾身の大河歴史巨編、待望の第二部、千四百枚!アイヌに心を通わせた男と無頼の一家を起こした男ー広大無辺の蝦夷地の原野を男たちの「運命」が奔る。