2007年3月25日発売
恋縫恋縫
娘ざかりのおいとは、江戸入船町の裏店で古着屋をいとなむ父と二人暮らし。隣に住む幼なじみの龍次を恋慕っていたが、上方へ年季奉公に行ってしまった。それから三年、待ちこがれた龍次が、突然帰ってきた。だが、女が一緒で…。町娘の熱い想いを綴る表題作ほか、武家の若妻が官能の目覚めに懊悩する「路地の奥」など全四篇を収録。男を惑わす江戸の女たちを鮮やかに描く傑作時代小説集。
夏休みの狩り夏休みの狩り
「寛は何を集めているの?」と鈴子が聞いた。「昆虫」と寛は適当に答えた。「何と何を捕ったの?」「まだ。夏休みは始まったばかりだろう。もう宿題をやっているのか?」「夏休みはあっという間に過ぎるのよ」少年にしか見えないこの世界の真実を描く、芥川賞作家の書下ろし長編小説。
ママの友達ママの友達
主婦の典子は、娘との関係がうまくいかないことで悩んでいた。そんなある日、典子のもとに、中学時代の交換日記が届く。差出人の名前はないが、最後に日記を書いていたのは、メンバー四人の中でリーダー格だったハセジュンこと長谷川淳子だった。ところが、テレビで淳子が他殺体で見つかったとのニュースが。一週間も前に殺された淳子が、日記を送れたはずなどない。これは誰かのたちの悪いいたずらか、それとも…。
水上のパッサカリア水上のパッサカリア
愛した女の死がもたらしたのは、哀しみだけではなかった。精緻に描き上げた男と女の物語。満場一致、驚嘆すべき新鋭、堂々のデビュー。傑作ハードボイルド!第十回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
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