2008年2月11日発売
江戸寛永年間、栄華を誇った海外貿易都市・長崎に、二人の大馬鹿者が生まれた。「金屋町の放蕩息子」「平戸町の悪童」と並び称されたこの二人こそ、のちに史上最大の朱印船貿易家と呼ばれた末次平左衛門(二代目末次平蔵)とその親友、内町火消組頭・平尾才介である。卓越した外交政治感覚と骨太の正義感で内外の脅威から長崎を守護し、人々に希望を与え続けた傑物たちの生涯を、三年の歳月をかけて、壮大なスケールで描いた熱き奔流のような一千枚!「飯嶋和一にハズレなし」と賞される歴史小説の巨人が描いた、一級の娯楽巨編。
世の中には三種類の詐欺師がいる。人を騙しその財物を奪い取る“シロサギ”。異性を餌として心と体、資産までも弄ぶ“アカサギ”。そして、シロサギとアカサギだけを餌として、カモから搾り取った金銭で肥え太った奴らの腐肉を啄む“クロサギ”。史上最凶のクロサギこと黒崎が今回餌食にするのは贈答詐欺師!一見、たわいもない仕事に思われたこの事件は、思いも寄らない凶悪事件へとつながっていたー。漫画原案者が自ら手がけた、漫画版とも映画版ともひと味違う、闇の世界に深く迫った完全オリジナル小説。
秋川藩を我がものにしようとする首席家老・遠藤源右衛門に対して、涼庵とゆみえは抵抗を続けていた。そんな時に、妙薬を使って子供ばかりでなく大人も治してしまう加代様と呼ばれる女性が出現した。しかし、奉行の橘弥十郎をはじめ、薬を飲んだ者が次々と異状を呈していく。宮坂は、その薬の正体を見破り、加代はからくりを白状した。そして、ゆみえの父・山村次郎助の告白によって、その薬にまつわる、藩が行ってきた驚くべき秘密が明らかになる。さらに、幕府への露見の恐れが出たとき、涼庵が取った行動とは…。書き下ろしで送る待望の第二弾。
雀プロ、成金、僧侶、医者、愛人、弁護士、学生に警察官…。風俗営業が数多ひしめくピンクゾーンに、今夜もギャンブル好きが集まってくる。東風戦、ワレ目あり、動くカネは数億円!?命の運より博打運。カタギだってヤクザだって、いやがおうにも血が騒ぐ!殺人前科はあるものの、物腰柔らかで男前の天才勝負師「オレンプ」。そして、ギャンブルを愛してやまない面々が、痺れるような勝負の世界特有の、興奮の坩堝に引き込まれていく。阿佐田哲也のギャンブルセオリー満載の、“一話完結形”連作長編麻雀小説。