2008年4月9日発売
「やられたらやり返すっ!!」時は一九七〇年代。田舎町に住むヤンチャでムチャな男子高校生と、町の駐在さんが繰り広げるイタズラ合戦。「レーダー測定(ねずみ捕り)で自転車は捕まるのか!?」に始まる、バラエティ豊かな“ぼくたち”の作戦と、法すれすれのリベンジを繰り返す“駐在さん”の大人げない(?)攻防戦。ある時は「駐在所にいかがわしい本を届けて」みたり、またある時は、「セクシーな下着を駐在所のところどころに忍ばせて」みたり…。おバカで笑えて、熱くて泣ける、(半分)実話の人気ブログ小説、待望の文庫化。
倉永晴之は南海市役所の市民相談室で働く公務員。現在の役職は主査、一般企業でいえば中間管理職の係長である。南海市は巨大ワニの化石が発見され一躍全国に名を知られることになるが、倉永の心は晴れない。市内の公園で本物のワニが泳いでいるという通報が入り現地確認に出かける。時間外の仕事を終え家に帰ると、今度は自家用車のタイヤが空気を抜かれている。そのうえ職場で上司の不祥事が発覚し、火の粉が倉永に降りかかってくる。度重なる不幸の連鎖から倉永はいかにして脱出するのか。「どろ」「かび」の作者が描いた巻き込まれ型小説の決定版。
「テツ、最後までさせてあげなくて…ごめんね」渋谷の街に現われる美しい娼婦・なぎさ。彼女を抱いた男たちは、青春時代の思い出の女性と再会する夢を見る。エリート商社マンの北沢哲也は、大学時代に組んでいたバンドの紅一点、ボーカルの真理子の死を知った。真理子はー濡れるといい声の出る歌姫だった。背筋がぞくっとするほど艶やかに、妖しく。哲也はギタリストの本条に頼まれ、演奏前に真理子を愛撫するようになる。だが彼女の本命は哲也ではなかったー。60〜70年代ロックの名曲とともに綴られる「なぎさの媚薬」シリーズ第三弾。