2009年4月20日発売
柏木夏美19歳。ロックバンド「ペルソナ・パラノイア」のギタリスト。男の目を釘付けにするルックスと天才的なギターの腕前の持ち主。いよいよメジャーデビューもという矢先、敬愛するボーカルの城戸薫が自殺してしまう。体には不審な傷。しかも、彼の名前は偽名だった。夏美は、薫の真実の貌を探す旅へと走り出すー。ロック&ガーリーな青春小説。
大学二年の夏、サキは母親の計略に引っかかり、大っ嫌いな歯医者で受付のアルバイトをすることになってしまう。個性豊かで、患者に対し優しく接するクリニックのスタッフに次第にとけ込んでいくサキだったが、クリニックに持ち込まれるのは、虫歯だけではなく、患者さんの心に隠された大事な秘密もあって…。サキの忘れられない夏が始まった。
牧村伸郎、43歳。元銀行員にして現在、タクシー運転手。あるきっかけで銀行を辞めてしまった伸郎は、仕方なくタクシー運転手になるが、営業成績は上がらず、希望する転職もままならない。そんな折り、偶然、青春を過ごした街を通りかかる。もう一度、人生をやり直すことができたら。伸郎は自分が送るはずだった、もう一つの人生に思いを巡らせ始めるのだが…。
如月、梅も盛りの江戸で名残の雪が降った夜、嫌われ者の金貸し一家が惨殺された。町方は、妾宅で妾とともに死んでいた主の金兵衛の無理心中と断定。しかし前日、金兵衛に会った青柳剣一郎は違和感を覚える。やがて浮かび上がったのは、富三郎なる不可解な男。富三郎は残忍な盗賊一味にも狙われていた…。逃げ回る富三郎の正体、そして息詰まる追跡行の結末とは。
霊岸島が炎に包まれた。北町の与力・葛篭桃之進は、赤子を火焔から救う褌姿の侍に目を瞠った。この男、「鼻紙も買えぬ百石手鼻の貧乏侍」と自嘲する幕臣で、桃之進はその人柄に惚れ込む。しかし、男には破落戸殺しの嫌疑がかかり、その裏に火事の利権を貪る悪党の姿が!役立たずののうらく者と揶揄される桃之進が正義の剣で悪を討つ。傑作時代小説、第二弾。
昭和18年10月8日、アメリカによる一方的な対日最後通牒の期限が切れた。開戦日の午前4時、ハワイ・オアフ島の真珠湾基地30キロの海域に4隻の潜水艦が浮上した。同じ頃、角田覚治率いる遊撃隊はミッドウェー北方200キロにあった…。壮大なスケールで描く「あり得たもうひとつの現代史」を追うスペキューレーション“思考実験”戦史、第2巻。