2010年6月12日発売
手に取れば、そこに広がる「ホームレス」と「しっぽつき家族」のノンフィクション・ストーリー。 犬も猫も、そして人も、すべてに生きる権利がある 河川敷や公園に捨てられる犬や猫。飼い主から見放された動物たちだ。 そんな見捨てられた動物たちを自らの食事を抜いてまで世話をするホームレスたち。 その動物たちを無料で診察する女性獣医師。 彼女が見たのは、社会の片隅で肩を寄せ合い生きていく、動物と野宿者が直面する厳しい現実だった。 女性獣医師が動物医療の視点から現代社会のひずみを描き出す、渾身のドキュメント。 プロローグ 第一章 山谷ブルース 東京に生きる野宿仲間と動物たち たこつぼからドツボへー初めての隅田川医療相談会 ウサギ・マジックー荒川河川敷ウサギのやさしい魔法 はなちゃんとハッピーー隅田川テラスから見える風景 隅田川から信州へー野宿の女性と猫の引越し 「輪」からつながる「和」-荒川医療相談会 井上さんとイノウエくんー山谷の祭りの出来事 「コラム」犬が苦手! の名ドライバー 第二章 Love me tender 大阪・釜が崎の自由と不公平 川から海へー全国地域・寄せ場交流会 西成公園へー初めての大阪・釜が埼 不当なことは立ち向かってGO! -カタヤマさんの逮捕 人と犬が紡ぐものー残された犬たちと人間模様 事件後のジェシカおばさんー里親探しに奔走するボランティアたち 居酒屋「はな」のシアワセ術ー釜が埼に集う人たち 「コラム」ジョン熊五郎 第三章 Many rivers to cross 野宿仲間と越えていく壁 桜の中のお別れー信州のMさんの死 百年に一度のことをしようー若者たちの挑戦 なぜ暴力が起きるのかー動物虐待と野宿者襲撃 若い世代へ伝えたいー野宿問題の授業 ファミリー・アフェアー野宿からアパートへ やすらかに暮らしたいー生活保護と動物と 「コラム」ありがとう、鉄の道 第四章 People get ready 生きものみんなに明日が来るために 情報格差社会のなかでー知る権利と知らせる責任 トルエケが起こした奇跡ー助け合いの経済 誰かが何とかしてくれる?-無関心と関心のあいだで Five freedoms-最低限の自由の保障 違っているからいいー人間多様性 タコツボからクラーケンへー共感力と手をつなぐ社会 エピローグ 橋爪竹一郎「微笑して正義を行え」 藤原英司「命の尊厳」 大きな河の流れのほとりでーあとがきにかえてエピローグ あとがきにかえて