2010年6月18日発売
おとぎ菓子おとぎ菓子
日本橋は木原店にある一膳飯屋・塩梅屋。主の季蔵が、先代が書き遺した春の献立「春卵」を試行錯誤しているさ中、香の店酔香堂から、梅見の出張料理の依頼が来た。常連客の噂によると、粋香堂では、若旦那の放蕩に、ほとほと手を焼いているという…(「春卵」より)。四篇を収録。季蔵が市井の人々のささやかな幸せを守るため、活躍する大人気シリーズ、待望の第七弾。
アヴェントの娘アヴェントの娘
ーー欲しいのは、娘の力と血だ 毒の海に蝕まれた世界で 浄化のカを持つ水の一族(アヴェント)は尊い存在として水の国アクアテラで手厚く保護されていた。そんな中、一族の長の娘でありながら最も力が弱く隠されるように育てられたシェルタは、満足に役目を果たせずにいる自分に忸怩たる思いを抱えていた。しかしある日、部屋を抜け出したシェルタの前に現れた二人の男との出会いが彼女の運命を変えていく。 褐色の肌に冷淡な赤い瞳を持つカビール国の王子カルフと柔和な笑みを絶やさないメガロス皇国の軍人ソティラス。シェルタの事情を知らず、しかし浄化のカが欲しい彼らは、アヴェントの娘であるシェルタを自国に引き入れようと強引に迫ってくるのだが……
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