2013年4月18日発売
巨鯨の海巨鯨の海
網を打つ者。とどめを刺す者ー。おのおのが技を繰り出し集団で鯨に立ち向かう、世界でもまれな漁法「組織捕鯨」を確立し繁栄する紀伊半島の漁村、太地。しかし、仲間との信頼関係が崩れると即、死が待ち受ける危険な漁法であるため、村には厳しい掟が存在した。流れ者。己の生き方に苦悩する者。異端者ー。江戸から明治へ、共同体で繰り広げられる劇的な人生を描いた渾身作。
起たんかね、おまんた起たんかね、おまんた
東日本大震災の年の夏、東京。大集会に新潟からきた若い七人の農民の姿があった。彼らは江戸中期・天明三年に起きた越後柿崎一揆の子孫だった。「良民を守る一揆は時を超え」。むしろ旗が音をたてて大きくはためいた。天明三年にタイムスリップした。
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