2014年2月10日発売
西国に武者修行の旅に出た半兵衛は、舟の中で出会った鴻乃森兵馬という浪人者に、長州へ行こうと誘われる。勤王や佐幕という思想に興味を持たない半兵衛は断ろうとしたが、長州に伝説の鬼無剣を遣う幻の剣聖がいると聞き、興味を持った。その時、同じ舟に乗り合わせていた旅芸人と知り合った半兵衛は、お妙という美しい娘に一目惚れする。だが、その旅芸人達には、ある秘密が隠されていた。
両国広小路で色っぽくお客の相手をする矢場娘の美咲。実は定町廻り同心の間垣弥十郎の配下の娘岡っ引きで、大店の呉服問屋・島津屋の一人娘でもあった!!日本橋小町と言われる美咲だが、間垣の弱みを握って親の力で岡っ引きになったというほどの捕物好き。矢場娘の連続手籠め事件に、生娘の美咲は女中の朋代に助けられながら挑むが、果たして無事に解決しその貞操は守られるのか!?娯楽時代作家が放つ破天荒のじゃじゃ馬娘捕物帖!!
殺人事件の犯人にあと一歩と迫ったとき、刑事は県警幹部の重大な犯罪を知ってしまった。幹部の犯罪を見逃せば、殺人犯をとり逃がすことになる。幹部の犯罪を追及すれば、県警自体が瓦解しかねない。守るべきは、正義か組織か!?苦渋の決断を迫られた刑事は…。話題騒然!法廷ミステリーの名手が描く、異色の警察小説がついに文庫化!
「思いきって、やったらどうなの」「何をだ」「わたしを殺すのよ」-社の常務の姪と不倫した挙げ句、妊娠させ、結婚を迫られてしまった夫。“玉の輿”を目論む夫に、妻は離婚を絶対拒否することで対抗する。はたして、夫婦の運命は…(「霧」)、ほか、全編会話だけで構成された異色の短編を6篇収録。
大学院生の大森直人は、同じ研究室の後輩で性に奔放な佐山利香と付き合っていたが、キャンパス近くの弁当屋で働く人妻杉村裕美を一目見て以来、叶わぬ恋に胸焦がす日々を送っていた。一方、控えめな直人の視線に気付いていた裕美も、満たされぬ夫婦生活に悩み悶々とする毎日。互いに惹かれあう二人の距離は次第に近づいていき…。抑えきれない男女の欲望が迸る長編ふとももエロス。
川止めで途方に暮れている若侍、伊東七十郎。藩で一番の臆病者と言われる彼が命じられたのは、派閥争いの渦中にある家老の暗殺。家老が江戸から国に入る前を討つ。相手はすでに対岸まで来ているはずだ。木賃宿に逗留し川明けを待つ間、相部屋となったのは一癖も二癖もある連中ばかりで油断がならない。さらには降って湧いたような災難までつづき、気弱な七十郎の心は千々に乱れる。そして、その時がやってきたー。武士として生きることの覚悟と矜持が胸を打つ、涙と笑いの傑作時代小説。