小町娘と評判の舞は十返舎一九の娘。なぜか父や葛飾北斎の娘、お栄ら、奇人変人たちの大騒動の後始末ばかり。恋を邪魔され、縁談は壊され、いつも唱えるまじないは、「奇人気まぐれ、きりきり舞い!」。
昭和28年春、一里塚の大榎の下に幼いわが子を置いて両親は去っていく。二人が行き着いた先は多磨全生園だったー。