2015年1月13日発売
「氷のザキ」と異名をとる警視庁捜査第三課の神崎は、相棒の水沢とともに大規模な美術品窃盗事件を捜査していた。その盗品を追う過程で榊田恵、学の姉弟が浮かび上がってくる。姉弟はさる老富豪の隠し子で、屋敷に同居して、老富豪を介護しているということだったが…。事件の臭いを感じた神崎はひそかに内偵を始めたー。
老舗酒造の杜氏である父親と衝突して、実家を飛び出した次男。七年後、父親の訃報にやむなく戻ると、「喪主はお前に」と不可解な遺言が残されていた。なぜ父親は、跡を継ぐ長男を差し置いて、次男に式を任せたのか?(「父の葬式」)葬儀を省く「直葬」が主流になった国で、死者をめぐる「謎」に戸惑う遺族たち。-女社長・紫苑が率いる北条葬儀社の面々は、式を滞りなく進められるのか。気鋭の放つ傑作連作ミステリー。
写真専門学校に通う奥野弘志はヌード撮影実習で興奮のあまり失神してしまう。気落ちして地元商店街に逃げ帰った弘志の目に見慣れぬ惣菜屋が飛び込んでくる。「いらっしゃいませ」。優しく微笑むエプロン女性は、実家の写真館に長らく飾られていた憧れの振袖美女・麻奈美だった。今は若後家の身だという彼女に童貞の弘志の心は一気に傾いていく。週刊実話で大人気を博した連載、ついに単行本化!
私の名は最上俊平。私立探偵だ。フィリップ・マーロウを敬愛する私は、ハードボイルドに生きると決めているが、持ちこまれるのはなぜかペットの捜索依頼ばかり。正直、役不足である。そろそろ私は変わろうと思う。しかるべき探偵、しかるべき男にー。手始めに、美人秘書を雇うことを決意したが、やってきたのはなんとも達者な女性で…。心優しき私立探偵とダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻きこまれた殺人事件。くすりと笑えてほろりと泣けるハードボイルドの傑作、待望の新装版。
いつものようにアルバイト先のコンビニに出かけようとしていると、日本で一番会いたくない男、警視庁の工藤が訪ねてきた。きれいな女子大生を連れていて、彼女を守ってくれと言う。聞けば、ストーカー被害に遭っているらしい。それなら放っておけないと、警護を引き受けた“おれ”。怪しい男を見つけ、追跡するが…。緊迫感とユーモアが溶け込んだ書き下ろし探偵ミステリー。不器用だけど静かに熱い探偵・川庄の活躍と、ひとりの男の成長に注目!
廻り髪結のおゆりは、かつての許嫁で御家人の島崎清之助に付き纏われ、怯える日々を送っていた。岡っ引の弥平次は、おゆりの窮状を知り船宿「笹舟」に匿うが、その最中、久方ぶりに元臨時廻りの同心が柳橋に姿を見せる。ろくでなしの島崎をおゆりから遠ざける策を思案していた弥平次は、一芝居打つことを思いつき…。人気の人情捕物シリーズ第六弾、待望の書き下ろし!
深手を負った、七人殺しの下手人・野うさぎの鉄二を匿い、施療をした師・幻宗に疑問を覚えた新吾だったが、幻宗は「医者の務めを果たしたまで」と言い切る。鉄二は順調に快復していったが、ある日、看護をしていた老夫婦が惨殺され、鉄二の姿は消えてしまった!新吾は鉄二を捜して奔走する。書き下ろし青春時代小説、シリーズ第二弾!!
本所のボロ長屋で不遇をかこつ剣豪「鬼がらす」こと烏森堅四郎の隣に、花形役者の揚羽恋之介が越してきた。長屋の女たちを目で殺す恋之介に猛反発する堅四郎。だが、否応なく観に行かされた恋之介の芝居に大感激し、一転弟子入りを志願する。国惑する恋之介は無理難題をふっかけるがー!?前代未聞の凸凹師弟が、お江戸の難事件を鮮やかに解決!ドラマ『猫侍』で注目の黒木久勝が放つ痛快デビュー作。