2015年3月発売
浅見光彦は「旅と歴史」の依頼で、長崎県五島列島へ教会堂の取材に行くことになった。飛行機嫌いの浅見がフェリーで九州へ向かっていると、船中で元刑事の後口と出会い意気投合する。彼は浅見を案内しながら、軍艦島で起きた未解決の連続変死事件について語る。だが、後口は娘が住むという長野県へと向かう途中で、静岡県御前崎の海岸で遺体となって発見された。現地で浅見は、後口と意外な人物との接点に気づいたのだがー。
炭鉱の街として一瞬の栄華をきわめた軍艦島。島で人が亡くなると、隣にある無人島、中ノ島で火葬されたという。軍艦島に魅せられていた元刑事の後口は、浅見に中ノ島に次々に流れ着く不思議な遺体のことを語り、そして亡くなった。後口の足跡を辿る浅見は、島で不審死した神主が「大切なもの」を娘に託したと知る。島に関わる者たちが、三十年間口をつぐんできた秘密。名探偵・浅見光彦が対峙する、最大の「巨悪」の正体とはー。
佐々波と雨坂が、本当に編集者と作家だった、若き日の物語。ある一人の女性の存在と本にまつわる謎が、眠れる天才を呼び覚ます。推理しない探偵コンビの語られなかった過去が今明らかに!
負けがこんだ男の代打ちを頼まれたギャンブラーの古賀。ゲームは現金の代わりに自分の臓器を賭けることができ、依頼主はすでに4つの臓器をとられていた。自分の臓器をカタに勝負に望む古賀。勝負の行方は?
「結婚指輪は経費にならないのか?」ある女優と婚約をした青年実業家の質問に、東京芸能会計事務所の雑用係・竜ヶ水隼人は疑惑を深めたー所長の元アイドル税理士・天王洲あいるの命令で、後輩・有明青海と実業家の正体を探る調査をしていたのだ。華やかな婚約に隠された、予想外の真実とは?競馬好き俳優の秘密の出店、消費税を利用したアイドルの企み…税金の仕組みが事件解決への鍵!?超お役立ち、お仕事ミステリ!
両国の鮨店「つかさ鮨」の敷居をまたいだ小柄な少年。抜群の「握り」の才を持つ彼、徳武光一郎には、稀代の策略家という別の顔が。先輩弟子の金森は、彼の夢に惹かれ、全てを賭けることを決意するが……。
若手刑事の無藤太郎は、伝説の探偵刑事、南塚と出会って以来、不可思議な事件と縁が深い。南塚の盟友で名家の当主・北小路とも協力し、事件を解決してきたが、彼のもとに届いた一通の手紙が、新たな事件の扉を開く。それはなんと、自分は幽霊だと名乗る男からの依頼。道路のカーブで事故を起こす赤い幽霊の話を聞き、半信半疑ながらも調査を始めた無藤と北小路だが…。オカルトと本格ミステリの理想的融合!仰天の結末を御覧あれ!
廃墟になっている洋館から見つかった何体ものミイラ化した女性の遺体。それらはすべて体の一部分が欠損していた。猟奇犯罪捜査班の藤堂比奈子らの捜査によって浮かび上がる意外な容疑者。果たして犯人の目的は?
後鳥羽上皇から勅撰和歌集の六人の撰者の一人に任命された藤原定家。そこにある日、歌神と名乗る者から脅迫文が届く。曰く、ただちに和歌所を閉じよ。さもなくば、当代の六歌仙を一人ずつ死に至らしめるーこれは後鳥羽上皇への挑戦状なのか。当代六歌仙とは誰を指すのか。そして、歌神の正体は一体!?次々舞い込む弔歌と相次ぐ歌人の死。事件の真相に迫る為、定家は長覚の力を借りて再び謎解きに挑む!
江戸の猫鳴小路にて、骨董商“おそろし屋”を営む謎めいた女主人のお縁と、用心棒でお庭番の月岡。お縁の“先輩”おしかが買い求めた縁の欠けた盃には、“酒呑童子”と化してしまったある人物の、藤原道長に対する憎しみと皮肉が込められていた。お縁の秘められた過去も、おしかや店を訪れる客の話から徐々に明らかになっていくその矢先、第二の刺客「カマキリ半五郎」が襲い来る!骨董から人の性を描くお江戸商売譚。
一枚も二枚も上手の父・真一郎と家令の鳳がついに帰還…と思ったのも束の間、ふたりは少しだけ成長した花穎の姿を見届け、再び旅の空へ。烏丸家当主残留が決定した花穎は、冷静かつ忠実な執事・衣更月を伴い、因縁ある芽雛川家主催の船上パーティーに出席。ところがそこで、人が海に突き落とされる事件が起こる。真犯人を突き止めるべく、花穎は関係者に聞き込みを開始するが…。半熟主従の上流階級ミステリー、新章スタート!
『天地明察』『探偵はバーにいる』『鍵のかかった部屋』『さよならドビュッシー』『百瀬、こっちを向いて。』『ストロベリーナイト』『まほろ駅前多田便利軒』など、人気作のサイドストーリーが読めるアンソロジー。
不老不死が実現した日本。しかし、法律により百年後に死ななければならないーー西暦2048年。百年の生と引き替えに、不老処置を受けた人々の100年目の死の強制が目前に迫っていた。その時人々の選択はーー!?
禁じられた廃村に紛れ込み恐怖の体験をしたあげく、次々怪異に襲われる若者たち。そこは「弔い村」の異名をもち「のぞきめ」という化物の伝承が残る、曰くつきの村だった──。ミステリとホラーの絶妙な融合!
「とき403号」で、60代とみられる男性の刺殺体が発見された。解剖の結果、被害者・奥山はメイクをしており、実際は30代だったことが判明する。十津川警部たちは、映画やTV関係を当たり、奥山にメイクを施した、須貝という人物を突き止めるが、彼も秋川で殺害されていた(「とき403号で殺された男」)。その他、十津川の妻・直子が殺人事件に遭遇する「夜行列車『日本海』の謎」など、北陸を舞台にした短編5本を収録。
原子力科学の若き第一人者である新婚の夫・雨村を乗せた旅客機と自衛隊機が北アルプス上空で衝突した。乗客全員の生存が絶望視されるが雨村の遺体は見つからず、生存を信じる雨村の妻・久美子は捜索に乗り出す。やがて研究成果に群がる政財界の陰謀と、妖しい女の影が浮かび上がりー。最先端技術を巡る恐るべき“腐蝕の構造”の正体とは!?日本推理作家協会賞を受賞した、巨悪の癒着と戦う愛の行方を描く壮絶なロマン。
「浅野内匠頭、吉良上野介に刃傷」の報は、青天の霹靂のような衝撃となって江戸城を駆け抜けた。しかし、実態の江戸城中・松の廊下の刃傷事件の背後には、冷酷無比な罠が張り巡らされておりーー。