2015年4月14日発売
詩が書けなくなった大詩人vs訳あり女性編集者、詩と再生の物語。借り物ではない、自分のことばで、きもちを伝えたい。詩をとおして、ことばを獲得していく女性たちを描く感動作。
アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。その「人間消失のルール」を解明すべくやってきた男たちは、何を知り得たのか?めくるめく幻想と恐怖に包まれる長編ミステリー。人間離れした記憶力を持ち、精悍な面差しで女言葉を繰り出す、魅惑のウイルスハンター・神原恵弥を生み出した、シリーズ第一作!
北国のH市を訪れた神原恵弥。不倫相手を追いかけていった双子の妹を連れ戻すという名目の裏に、外資製薬会社の名ウイルスハンターとして重大な目的があった。H市と関係があるらしい「クレオパトラ」と呼ばれるものの正体を掴むこと。人々の欲望を掻きたててきたそれは、存在自体が絶対の禁忌であったー。謎をめぐり、虚実交錯する世界が心をとらえて離さない、シリーズ第二作!
錦戸虎治と本田麗香は、同じ孤児院出身。どん底の生活を経て再会したふたりは、性を武器に成り上がることを決意する。大金をつかむまで互いとのセックスはしないという約束のもと、ターゲットを捕獲していく虎治の前に、絶好の獲物・小浜真央美という天使のような令嬢が現れる。草凪ワールドのダーク系とライト系が融合。書き下ろし長編官能、ダーク系の前編。
母親を自分が通う学校の教師に殺された真裕子は、大学を卒業後、親元を離れる。一方、父親が加害者となった大輔と絵里は、その事を知らずに長崎の祖父母のもとで生活を送っていた。また、事件を取材した新聞記者の建部は長崎に転勤となり、そこで新たな殺人事件に接していた。-運命が変わったあの日から7年。事件に関わる人間の姿を、熟練の筆で描く大作。
長崎で起きた中学生撲殺事件の取材をする建部は、その再会に運命のようなものを感じていた。殺害された少年の通夜に、かつて加害者の妻だった香織が被害者の遺族として現れたのだ。-心に癒しがたい傷を負い、今も母を強く想う真裕子。父母を知らず、心にもやもやしたものを抱える大輔。ふたりの行く先に待っているものとは。
見事な花を咲かせる桜の古木と、その木を見守り続ける老齢の植木職人の姿を描いた表題作「さくら」。女房に間男がいることを知った朝顔売りの懊悩と、男女の心の機微を取り扱った「いい女」など、心に沁みる四つの物語を収録した書き下ろし時代短編シリーズ、待望の第二弾。