2015年5月14日発売
“メフィスト病院”の患者財宝八州美が脱走。鉄壁の監視網を破ったのは、彼が創った“永久機関”の力だった。潜伏した財宝は、早速復製を作るが盗難に遭ってしまう。直後、死亡した老人湯間嘉次郎が、孫めぐみの友人が持ち込んだ円筒形機器の力で甦る。この小型メカこそ、消えた“機関”だった。メフィストは不死者が氾濫する事態の収拾に動くが、“機関”が放つ熱量は“新宿”を不安と恐怖に陥れてゆく…。やがて狂乱のメカ争奪戦に米国最強の特務機関が参戦した時、“亀裂”に大鳴動が!?人類が手にした究極の力に“魔界都市”が下す審判とは?長編超伝奇小説。
東京の製菓メーカーで企画職として働いていた29歳の聡美が久しぶりに故郷に帰ってきた。実家を出たことがなくずっと田舎暮らしの三つ下の妹・愛美は、この機会に姉の家で都会の暮らしを楽しんでみたいと思い立つ。部屋を貸すことを嫌がる姉や困惑する婚約者を説き伏せて、愛美は東京に発つが、聡美の家で姉の恋人と遭遇。プライドが高く向上心の強い姉の突然の帰省を訝しんでいた愛美は彼に探りをいれてみることに。聡美が実家に帰ってきた本当の理由とはー?自分を見つめ直す二人の物語。
栂野真琴は浦和医大の研修医。単位不足のため、法医学教室に入ることになった。真琴を出迎えたのは法医学の権威・光崎藤次郎教授と「死体好き」な外国人准教授キャシー。傲岸不遜な光崎だが、解剖の腕と死因を突き止めることにかけては超一流。光崎の信念に触れた真琴は次第に法医学にのめりこんでいく。彼が関心を抱く遺体には敗血症や気管支炎、肺炎といった既往症が必ずあった。「管轄内で既往症のある遺体が出たら教えろ」という。なぜ光崎はそこにこだわるのかー。解剖医の矜持と新人研修医の情熱が、隠された真実を導き出すー
都内某所で、IT企業経営者の毒殺死体が相次いで発見される。警視庁捜査一課殺人犯捜査第二係所属の入間(イルマ)祐希は、関係者の証言からIT企業「シェヴロン・グループ」代表取締役・佐伯亨に目をつける。だが、尾行中に何者かが佐伯を襲撃、猛追するイルマと激しいカーチェイスに。襲撃犯は中国黒社会の刺客、「低温」だった。命拾いした佐伯は、「蜘蛛」に接触し…。肥大化する暴君・佐伯、殺人機械・低温、正体不明の生ける屍・蜘蛛。己の鋭い嗅覚がイルマを導いた先は、都会の戦場だったー。型破りな女刑事が牙を剥くアクション警察小説、誕生。
あることで人を殺した喫茶店『珈琲屋』の主人・行介。行介の幼馴染で、かつて恋人だった冬子。ふたりの、互いを大切に思う気持ちを軸に、東京のちいさな商店街に暮らす人々を描いた連作短編集。連続テレビドラマ化もされ、多くの支持を集めた『珈琲屋の人々』続編。この物語を読み終えると、きっと熱いコーヒーが飲みたくなる…。
広島県因島でトラック運転手をしながら、小学生の息子二人を育てるバツイチ41歳の寺谷和章は、ある夜、交通事故に見舞われ、目の前に現れた謎の天使に“思いのままに飛んでいく魔球”を授かる。“プロ野球選手になって、カープを日本一にするー”子どもの頃に思い描き、いつしか諦めていたその夢を叶えようと、和章は広島カープの入団テストを受けに行くが…。家族とそれを取り巻く人間模様を通して、男の選択と生き様を描く興奮と感動の長編エンターテインメント小説。
復調の兆しが見えず、広島カープの二軍球場で調整中のルーキー寺谷和章は、取材に訪れた美人記者伊勢谷仁美と新聞記事を巡って衝突する。そんな中、ある事件をきっかけに魔球が復活、やがて一軍に返り咲いた和章は再起を賭け、超満員にふくれあがる甲子園のマウンドへと向かう。父の活躍を信じ続ける息子たち、因縁の若手キャッチャー達原との再会、宿命のライバルにして孤高のスラッガー早野の登場ー、圧倒的な興奮と清々しさが胸を打つ長編エンターテインメント小説。
東京育ちの加藤恵太は呑気さが崇って就職活動に失敗。やっと得た職はM県小古村で亡夫の地盤を継ぎ、村長選挙に立候補した北里佳代の秘書見習い兼雑用係だった。一目で佳代の美貌に魅せられた恵太は後援会長や対立候補の魔の手から未亡人を守ろうと奮闘。ついには都会から来た恵太に興味津々の村の女やウグイス嬢までもが“下半身の総選挙”に欲情参戦してー!?村社会の背徳の極みを描く超力作書き下ろし。
文武両道の学問所設立を目指す佐賀大左衛門は、剣術指南方の師範代として湯瀬直之進と倉田佐之助の二人を迎え入れようとしていた。そんな折り、大左衛門の屋敷を旗本岩清水家の用人が訪い、若年寄遠藤信濃守に進呈するに相応しい刀の鑑定を依頼してきた。だがこの刀選びが元で、大左衛門の身にとんでもない災難が降りかかる。人気書き下ろしシリーズ第三十弾。
元目付の愛坂桃太郎は、不肖の息子が芸者・珠子につくらせた外孫・桃子と偶然出会い、その可愛さにめろめろになった。孫可愛さのあまり、いつも桃子を背中に背負って、子守りする日々を送るようになる。ところが、売れっ子芸者の珠子の周囲では、なぜか奇妙な事件が多発。可愛い孫を守るため、桃太郎の秘剣が唸る!待望の新シリーズ始動!
三保の松原に舞い降りた天女の妙耶は、羽衣を盗賊に奪われてしまう。その賊に父親と許嫁を殺されて敵討ちを誓った菓子職人の太一と出会い、ともに盗賊の行方を追う。そんな日々の中で妙耶は市井に交わり、身内ゆえの情や、よすがなき女の哀しみ、職人がもつ矜持など、人間の心のありように触れてゆく。しだいに妙耶の胸にも、ある想いが兆してきて…。哀歓に満ちた連作時代小説。