2016年11月2日発売
歌野晶午×江戸川乱歩ーー貴方を「非日常の興奮」に導く、超ミステリが誕生! 『葉桜の季節に君を想うということ』の異才が、刺激的なサプライズと最新テクノロジーで現代に蘇らせる乱歩ミステリ集! カメラマンの「私」が渋谷の道玄坂で出会い、交流するようになったのは、賢いが生意気な少年・聖也。 その日も私は道玄坂のダイニングバーで聖也と話していたが、向いの薬局の様子がおかしい。駆けつけた私たちが発見したのは、カーペットの上に倒れた、上半身裸の女性だった。 その後、私と聖也は事件を探り始める。しかし、私はあることに気がついてしまい、元の世界には戻れなくなっていたーー(表題作)。 「人間椅子」「押絵と旅する男」「D坂の殺人事件」「お勢登場」「赤い部屋」「陰獣」「人でなしの恋」「二銭銅貨」……サプライズ・ミステリの名手が、新たな魅力を吹き込む! 「椅子? 人間!」 「スマホと旅する男」 「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」 「「お勢登場」を読んだ男」 「赤い部屋はいかにリフォームされたか?」 「陰獣幻戯」 「人でなしの恋からはじまる物語」
カリブ海に浮かぶマルティニーク島。島に住む少年ジャンは、異国風な美少女エマノンに出会う。地球に生命が誕生して以来、三十億年の記憶を持つという彼女。しかし、以前この島を訪れたときの記憶を失っていた。記憶を取り戻すために、島の奥へ向かうエマノンに、画家ゴーギャンと記者ハーンらが同行することに…。ゾンビや様々な伝説が息づく神秘の島で、エマノンに何があったのか?
JR西日本の社長宛てに脅迫状が届いた。「大阪発の寝台特急トワイライトエクスプレスに爆弾を仕掛けた。爆破を回避したければ、金沢駅到着までに現金一億円を列車内に積みこめ。ただし、金沢までに爆弾を見つけることができたなら爆破はしない」という奇妙なものだったのだ!翌日、トワイライトエクスプレスは何事もなく終着の札幌に到着したのだが…。会心の長篇推理。初文庫化。
小さな郵便局に勤める青年。外回りの仕事にマイナンバーの書類を配布する仕事が加わり、苦戦中。頑固な老婦人から地元のヤクザと幅広く、直接手渡さなきゃいけないからだ。あるとき、仲の良い兄に小遣い稼ぎになるからと頼まれて、週に1回、決まった時間に職場を抜けだし、他行ATMからお金を引き出すことに……。街の名物のお好み焼き屋さんや珈琲屋さんなど、美味しいもんと人情味あふれる人たちとの交流が心温まる。
大手ゼネコン帝都建設取締役の曽根寛が、東京駅で目撃されたのを最後に行方不明となった!妻と部下が必死に捜した結果、東京駅の霊安室から死体で発見される。続いて駅構内にあるホテルの非常階段で、若い女性の死体が見つかったのだ!?二人の死の背後には何かあるのか?駅を行きかう人々の人生模様と知られざる東京駅のバックヤードを織りまぜて描かれた、傑作長篇ミステリー。
中中央線高円寺駅、南口商店街。近くにできた全国チェーンの居酒屋におされ、治彦の店はつぶれかけている。カウンターだけの小さな店に半年ぶりに娘が顔を見せた。何があったのか別人のように髪を染め、「いっしょに釣りにいきたい」という。離れて暮らす父と娘のぎりぎりの愛情を描いた「花鯛」。しゃべりつづける「やっかいな子」と売れない役者の友情(「オニカサゴ」など、ワケあって釣りに出る人たちの胸があつくなる四篇。 収録作品:「花鯛」「オニカサゴ」「寒平目」「真鯛」