2016年12月16日発売
リバーサイドの瀟洒なマンション、「サンクレール」。209号室の少年・葵が現れた日から、「ちゃんとした」住人たちは崩れ始める。いわゆる「勝ち組」の専業主婦・菜穂、理想的な年下夫と結婚したキャリアOL・亜沙子、妻と死別した上司と年の差婚をし、家庭を得た千晶。不実な彼氏の代わりに、慰謝料を得た和葉。「どうしてわたしが」「何もしていないのに」「この子は、何…?」そして209号室のオーナー・羽美にも魔の手が迫り…。これは呪いか、人災か?209号室の謎とは…。大人気女性作家が描く嫌ミス系ホラー。
知人の女性を捜して、男性が野々宮家を訪ねてきた。彼女の祖母が、鹿乃の祖母に着物を預けていたらしい。蔵からその着物を取り出すと、鮮やかな赤い糸が描かれていたが、一瞬でその糸は切れてしまい……?
夜見坂少年が営む金物屋は、副業で「まじない屋」も営んでいる。不本意ながら「まじない屋」のほうが繁盛しているらしい。ある日、夜見坂は、法律上やむを得ず、夜見坂の甥になってしまった刑事・静から人身売買事件の噂を聞き付ける。興味を惹かれた夜見坂は、以前、別の事件で知り合った男爵家の令息で医学生の千尋を強引に誘い、旅行気分で怪しい屋敷に乗り込むが…!?
大学生の駿は、先輩の紹介で雑誌編集部のアルバイトをすることに。「巷の噂を検証するとか、そっち系」という曖昧な説明だったが、興味から訪れてみると、そこはUMAや都市伝説を紹介するオカルト雑誌『トワイライト』の編集部だった!勢いで働き始めたものの、駿に霊感的なものがあったせいか、妙な事態に巻き込まれてばりで?まったりオカルト事件簿!
物心ついた頃から“ブス”だったわたし。子供の時に参列した結婚式に憧れて、せめて誰かの幸せな瞬間を演出したいと、ウェディングプランナーの職に就いた。様々なお客様が人生の門出を祝おうとホテルを訪れる。そんなわたしが、やり手の美形上司・久世課長に求婚された!?「香澄さん、ずっと探していました。あなたのような…絶世のブスを」「はぁ!?(怒)」
7月31日、葵海の誕生日。幼馴染でバンド仲間の陸に気持ちを伝えられないままライブに臨むが、失敗してしまう。落ち込む葵海は事故に遭い…目覚めた日はライブの一週間前だった。戸惑う葵海に陸は言った。「俺、時間を戻せる」陸は、時を遡るレコードで何度も時間を繰り返し、葵海の重大な運命に抗おうとしていた。陸の深い想いを知った葵海に再び7月31日が訪れる…。
淮水で金軍の兀朮が岳家軍と、ほぼ同時に撻懶が梁山泊軍と交戦するが、それぞれ退く形で一旦収束する。兀朮は楊令の遺児・胡土児を養子に迎え、南宋の宰相に復帰した秦桧は漢土の統一を目指し奔走する。一方、梁山泊の新頭領・呉用からの命令は相変わらず届かず、新体制下の模索が続いていた。子午山では妻・公淑の死を想い、王進は岩の上に座すー。静かに時は満ち、戦端の火蓋が切られる、第二巻。
明治二十年代中頃、東京の外れに佇む三階建ての灯台のような異様な本屋「書楼弔堂」。無数の書物が揃うその店で、時代の移り変りの中で迷える人々と彼らが探し求める本を店の主人が引き合わせていく。
第二次世界大戦中、野々村は学徒動員で伊勢神宮を守る任務につく。終戦後、十五歳で東京に転居し考古学を研究してきた。遷宮で沸く伊勢へ七十年ぶりに帰郷し、同級生と再会。空襲で行方不明になったままの友人・加藤明が話題になる。野々村は、加藤の最後の姿を語り始めるが…。悲惨な戦争に翻弄された青春の封印が解かれた時、殺人の惨劇が!難事件に挑む十津川警部の名推理。長編旅情ミステリー。
東京から地元に戻ったシングルマザーの茜の就職先は、独立リーグに所属する球団・アリゲーターズ。元有名プロ野球選手だがなぜか全身ピンクでキメたゼネラルマネージャーをはじめ個性的すぎるスタッフや選手たちとともに、成績も経営も低迷中の球団を立て直すべく、事務局員として、そして球団マスコットの「中の人」として悪戦苦闘の日々だが…。がんばる全ての人に贈る最高のお仕事小説!
木村電器の新人社員・小林は、社長の思いつきで「ロボット開発部」への異動を命じられる。何の専門知識もないまま、博覧会で発表するために、ロボット作りを強いられた彼が取った手段は、ロボットの中におじいさんを入れることだった。一見、うまくいくかに思われたその場しのぎの作戦は、おじいさんの暴走で思いもよらない展開にー。小林たちの運命やいかに!?ハートフルコメディ小説。
将軍上洛の報に大坂城は大騒ぎ。饗応の膳を調えることになった西町奉行の久右衛門は献立作りに四苦八苦。そこに東町奉行が名乗りを上げたことから、いつしか東西奉行所同士の闘いにー(「風雲大坂城」)。僧形の一団による押し込み強盗や、鍋奉行を騙る無銭飲食が現れたりと、不穏な空気に包まれる大坂の町。そんな中、同心の村越勇太郎は一大決心を固めー(「偽鍋奉行登場!」)。シリーズ第8弾。
動物虐待、ゴミ屋敷放火、下水道内でのガソリン爆発ーK署勤務の刑事・亜坂の身辺で奇妙な事件が続発する。それぞれの現場には意味不明な言葉が残されていた。亜坂は本庁の土橋刑事の協力を得て捜査に乗り出すが、犯行は凶悪化の一途をたどり、ついには身許不明の女性が撲殺体となって発見される。その遺体にも、謎の言葉が刃物によって刻まれていた!社会の闇を抉る警察捜査小説、第二弾。
神谷芳雄の恋人でカフェに勤める弘子が、巨大な両眼と敏捷に動く猫属の舌をもつ男・恩田に攫われた。アジトに乗り込んだ神谷は監禁され、壁の隙間から彼女が陵辱され死に到るのを目撃する。それから一年後、江川蘭子という歌姫の恋人ができた。彼女も幾度も狙われ、神谷は明智に助けを乞うが、惨殺されてしまう。ついに魔の手は文代夫人にー。焦燥する名探偵、絶体絶命の愛の物語。
祖母が祖父を介護する家に居座る孫、唐突に同棲を快諾した恋人、鉢合わせした住人に違和感を抱く空き巣…。変わりゆく町で繰り広げられる一筋縄では解けない事件とは?精緻で心温まるミステリーの玉手箱。
神様から人間以外の生物に好かれる能力をもらって異世界に転生したネフェルティマは、宰相でもある父と領地視察に来ていた。そこでなぜかゴブリンたちに連れ去られたうえ、彼らの長にされてしまったネフェルティマ。魔物たちが元々住んでいた場所から追いやられていることを知った彼女はある計画を思いつき、周りの者たちをどんどん巻き込んでいくー。書き下ろし番外編『ネマの王宮での一日』を収録!!