2016年3月12日発売
探偵・狭間ナルキヤには友がいる。元警官、教授、ゲーマー、組の若頭、その子分、自称・愛の伝道師、風俗マエストロ、人気高級風俗嬢、インド人ナンパ師、釣り名人、淫魔、半吸血鬼。総じてクズで、総じて最高なヤツらだー。狭間探偵事務所を、ある日一人の客が訪れる。彼女の依頼は男とともに消えた妹の捜索。いわゆる人捜し。-だが。新興暴力団や民警による拉致・監禁・暴行。不法移民。人身売買の国際組織。そしてー“異種”の痕跡。「きみの妹さんは人間か?」事件は“彼ら”に纏わる様相を帯び、物語は加速をはじめるー。
十年前、六人の少年少女は“世界越境者”となり、世界を救った。黒羽園…環境に干渉する能力を有する。月白カノ…能力者の力を増幅させる能力を有する。若葉榛…対象者に混乱をもたらす能力を有する。藤マコト…“ゴースト”と化す能力を有する。珊瑚アカネ…対象を拘束する能力を有する。山吹鴇緒…無数の弾薬を生み出す能力を有する。
“あの日”からこの国は変わったー金こそがすべてという絶対の価値観に支配され、誰も綺麗事は言わなくなった。そんなこの国へ十三年ぶりに帰ってきた禅十郎は、ひょんなことから裏組織“百鬼夜行”を通じて、おかしな女子高生・闇神閻麻に買われ“奴隷”にされてしまう。奴隷となった禅十郎は、閻麻の望む大金を稼ぐため、“グラディエート・システム”による殺し合いゲームへと身を投じることになりー。
幼少期に「誰よりも速く駆ける」能力を与えられた飛脚の熊八。江戸を戦火から救うべく天の声に導かれ、坂本龍馬らと出会い、激動の幕末日本を駆け抜けていく。最速の男と偉人たちが交錯する疾走型エンタメ!
とある地方都市で、「将来的に、詩を書いて生きていきたい人」が参加条件のSNSコミュニティ、『現代詩人卵の会』のオフ会が開かれた。互いの詩の合評を行い、現代詩について存分に語り合った九人の参加者は、別れ際に約束を交わした。「詩を書いて生きる志をもって、それぞれが創作に励み、十年後に詩人として再会しよう」と。しかし約束の日、集まったのは五人。ほぼ半数が自殺などの不審死を遂げていた。なぜ彼らは死ななければならなかったのか。細々と創作を続けながらも、詩を書いて生きていくことに疑問を抱き始めていた僕は、彼らの死にまつわる事情を探り始めるが…。生きることと詩作の両立に悩む孤独な探偵が、創作に取り憑かれた人々の生きた軌跡を辿り、見た光景とは?気鋭の著者が描く初のミステリ長編。