2016年4月13日発売
天(才能)と地(身分・生まれ)には愛されないものの、誰よりも人に愛される男レグルス。戦乱のグラート王国を舞台に、かつて命を救われた姫獅子レオンハルトの下に馳せ参じた時から、危ういまでの真っ直ぐさが巻き起こす狂気の英雄譚が幕を開ける!
40億の横領の疑いを掛けられた会計士は、拘置所で自らの運命を呪っていた。身に覚えの無い罪で捕らえられた男の前に、白髪で車椅子に乗った青年が現れ、告げる。「私は、あなたを救うことができます」と。その言葉に縋った男は、青年に新たな名前を与えられ、詐欺、横領、脱税、振り込め詐欺といった犯罪収益が資金洗浄される前に回収することを専門とする政府委託の部署『特殊債権回収室』-通称“トクシュー”に勤めることとなる。だが、そこに集められたのは皆、元犯罪者…罪を『犯した』側の人間だったー。
自分を支える“守護代”の面々と、関東の土地神“守護”としての道を歩みはじめた千鳥。最近の楽しみは新米守護代・帯刀の成長を見守ること!そこへ、京都で幼い子供が消える“神隠し事件”が起きているとの報せが。見た目から「京都立ち入り禁止」を言い渡された千鳥は、柏を代役にして神さま会議も欠席に。衝撃を受けながらも、代わりに「あちらの世界」のカラスが多数出没しているという浅草に出向くがーそこでも“神隠し”が発生して…!?
「彼女の心は男性だったんです」親友の焼身自殺に疑問があると、若い女性が杉並中央署生活安全課「何でも相談室」通称0係を訪れた。自殺した女性は性同一性障害で、男性として生きていたにも拘わらず、遺体に性交渉の痕跡があったという。0係の変人刑事・小早川冬彦は、相棒の高虎と彼女の人間関係を洗い直すが…。常識はずれの捜査が真実を暴く、シリーズ第四弾!
太平洋戦争末期、疎開先から逃げ出した梶原兵吾少年は、一人の老婆が留守を預かる不思議な屋敷で宿を借りることに。その夜、二階の窓には恐ろしい“鬼”の姿が…。やがて、虎の像にくわえられた死体が見つかり、屋敷に逗留していた者は次々に異様な死を遂げたー(「安達ヶ原の鬼密室」)。いくつもの謎と物語が交差する、著者ならではの仕掛け満載、興奮必至の傑作ミステリー!
就職した夏、保育士の向井すぐりは、新米営業マンの高萩草介と偶然出会い、付き合い始める。草介のことをもっと知りたいと望むすぐり。だが、草介は自分の過去の恋愛や家族について触れたがらず、なぜかデートの最中に突然姿を消してしまう。お互いをどこまで知ることが幸せな明日につながるのか…。男女の視点から恋の成長を追いかける、新感覚ラブストーリー。
オタク仲間が命より大事なコレクションを奥さんに捨てられた!オタクと結婚は相容れないのか!?アメリカ人の同僚オーレと付き合い出したのをきっかけに、今後のオタク人生に心悩ますノブコ。しかし、イケメン俳優との仲をオーレに疑われ、一転ピンチに。さらに、オタクを食い物にする危険な女が出現して…。次々襲い来る試練に、ノブコはどう立ち向かうのか?
算盤侍唐木市兵衛を、北町同心の渋井鬼三次が手下とともに訪ねてきた。岡場所を巡る諍いを仲裁してくれという。見世に出向いた市兵衛の交渉はこじれ、用心棒の藪下三十郎と刃を交えるが、互いの剣に魅かれたふたりは親交を深めていく。三十郎は愚直に家族を守る男だった。だが、愚直ゆえに過去の罪を一人で背負い込んでいる姿を、市兵衛は心配し…。
北町奉行所平同心・日暮龍平。旗本ながら部屋住みを嫌って町方に婿入りした、妙な男である。ひょろりとした痩躯に柔和な風貌だが、実は小野派一刀流の遺い手。何も知らない同僚は、雑用をおしつけ“その日暮らしの龍平”と嘲笑うが、一向に意に介さない。ある日、北町奉行から凶悪強盗団の探索を命じられ…剛剣で江戸の悪を一掃する痛快時代小説!
鮮やかな斬り口だった。矢先稲荷脇で発見された死体を検死した青柳剣一郎は剣客による犯行と判断。三月前の刃傷事件と絡め、連続殺人を疑い探索を始める。浮上したのは同じ頃に一刀流仁村道場の師範代を辞め、姿を晦ました神村左近という男だった。一方、その道場の門弟高岡弥之助は事件当日、現場付近で左近を目撃、独自に追っていたが、第三の死体が発見され…。
「離縁、離縁って簡単に言うない。世間様はそうそう離縁なんてするものか」「おあいにく。あたしは一度離縁された女で、うちの人は三度も離縁しているのさ。離縁の玄人だよ」(「夫婦茶碗」)。夫婦喧嘩の仲裁に、日々、大忙し。日本橋堀留町の会所の管理人、又兵衛とおいせは近所の家族の幸せを願い…。懸命に生きる男と女の縁を描く、心に沁み入る珠玉の人情時代小説。
黒田官兵衛麾下の勇将堀平右衛門の晩年。出奔した平右衛門を待つ妻の胸中は?息子同然の手代を自殺に追い込んだ矢場の女に入れ揚げた、大店の主の欲望と顛末。不仲の妻と離縁も考えた商人は、妻が病に倒れて初めて夫婦の関係を見つめ直し…。人の心に降る雨はいずれ止み、希望に満ちた空を見せる。すれ違う江戸の男女を丁寧に描く三人の、時代競作第三弾。
弁当配達のボランティアで老婆・カエと出会った、大学生の総司。家族を失い、片目の視力を失い、貧しい生活を送るカエは、愛し合いながらも結ばれなかった男との思い出を語り始める。その悲しい恋物語には、総司の人生すら一変させる、壮絶な秘密が隠されていた。衝撃の結末が待ち受ける、長編純愛ミステリー。
新たな年を迎え、賑わいを見せる京都。寺町三条の骨董品店『蔵』でアルバイトをしている真城葵は、オーナーの孫・家頭清貴とともに、バレンタインデーの夜に吉田山荘で行われる、人気ミステリー作家・相笠くりすの『朗読会』に招待された。『朗読会』には、くりすの担当編集者や親友たちが招かれていた。清貴はそこで、くりすの妹に、3カ月前に姉を殺そうとした犯人を当ててくれと依頼されるー大ヒットキャラミス第4弾!E★エブリスタ「ミステリー・推理小説」ランキング第1位。
僕の名前はテル。コインランドリーで洗濯物を見張る仕事をしてる。小さい頃の頭のケガのせいで、周りの人とうまく付き合えないみたいだ。ある日、忘れ物を届けたことがきっかけで水絵さんという女性と知り合った。水絵さんは綺麗だけど、笑った顔を見たことがない。数日後、水絵さんは「私は変わる」と言って故郷に帰った。乾燥機にワンピースを忘れて。忘れ物は届けなくちゃ。僕は水絵さんの故郷に向かったー痛々しいほどピュアな男女の、切なすぎる物語。書店員が選んだもう一度読みたい文庫・泣ける小説部門第1位!
奥手で冴えない兄・悟と奔放で肉感的な美人妹・野理子の切なく危険な同居生活を描いた82年公開の大ヒット映画『ピンクのカーテン』。妹を演じた美保純のあどけない笑顔と瑞々しい肢体は当時の若者を熱狂させた。今もなお輝きを放つ本作を、日活ロマンポルノ生誕45周年を記念して人気官能作家・葉月奏太が完全ノベライズ。あの禁断“ギリギリ”名場面の数々が書き下ろしで蘇る!
若い娘が長屋近くで武士に襲われた。近くにいた菅井紋太夫が娘を助け、身元を聞くと、さる大名家の家臣の娘で、親の敵討ちで江戸に出てきたという。ひとまず、娘を長屋に匿うことにしたが、ある日、数名の藩士が長屋を訪れ、「敵討ちの助太刀」を頼んできた。源九郎たちはその頼みを聞き入れるが、新たな刺客が現れ…。シリーズ第三十六弾!書き下ろし長編時代小説。
火付けで家も家族も失った瀬戸物屋の娘・おるん。さらに視力までも奪われる。絶望の淵から救ってくれたのは、許婚のいる男だった。道ならぬ恋に苦しむおるんは、一体の仏像に祈りをこめる。恋仏様、わたしはあの方がほしいのですー。恋仏から聞こえる声は「救い」なのか、それとも「呪い」なのか。謎に彩られた恋愛時代小説。
父の遺した看板線香ほの香の再現に成功した芳楽堂おりんだが、客足は戻らぬまま。一念発起して口臭消しの飴を考案し吉原に売り込む懸命な姿に、美しき子持ち花魁桃里が目を留める。桃里はおりんを廓へと招き、自分が桃の香を放つ身体であること、さらに意外な胸中を明かす。飴は大当たりするも、その喜びも束の間、芳楽堂周辺で不気味な嫌がらせが相次ぐ。江戸が香る話題の書き下ろし第二弾。