2017年8月3日発売
群馬県大塩湖で沖縄在住の元米兵の死体が発見された。謎の言葉「黒人のオルフェが微笑んでくれる」を残して。財津刑事は遺留品と一緒に見つかったボタンに注目する。それは那覇の精密機器会社が作業着用に特注したものだった。元米兵は群馬県のスーパーに貼られた、地元出身の人気歌手クラウジア明美の写真をカメラに収めていた。沖縄出身の母をもつ彼女に脅迫状が届き怪しげな芸能ジャーナリストがつきまとう。そして第二の殺人が…書下し長篇推理。
各企業が車を飾りたてて大阪・御堂筋をパレードーその最中に事件は起った。繊維メーカー・コスモレーヨンが開発した新素材をまとったミス・コスモの梅本観華子が、大観衆注視の中、急死したのだ。胃から青酸化合物が発見され、コスモレーヨンを取材中の浅見光彦が事件にかかわることに。コスモの宣伝部長・奥田とともに観華子の交友関係を調べ出した矢先、第二の殺人が。長篇推理。
剣と将棋がめっぽう強い旗本の三男坊・飛川角之進。町娘と一緒になり、「あまから屋」という料理屋を営んでいる。実は彼は将軍の御落胤。そのことを知る美濃前洞藩の重臣たちに頼まれ、病に倒れた藩主の養子となり、家督を継ぐことになった。名を斉俊と改め、領地へ赴き、親藩との諍いを治めつつ、改革を進めるべく尽力する。若さまは、江戸に残した息子と妻と暮らすことができるのか?
上信電鉄千平駅。下仁田行き始発電車の運転士がホームで俯せに倒れている老人を発見した。背中を数カ所刺されており、「ジャッジメント!」と言い残して間もなく死亡した。群馬県警の捜査により、老人は、千平駅の構内を毎日ボランティアで清掃していた小原勝利と判明した。しかし、捜査は暗礁に乗り上げ、警視庁の十津川警部に捜査協力の要請が…。巻末に全著作リストを付す。
婚姻届を出すのは待ってほしいーー彼はどうして結婚を決断してくれないんだろう。そこには思いもよらない理由があった(「二年半待て」)。死を目前に、なぜか旧姓に戻していた祖母。評判のおしどり夫婦で、祖父の眠る墓に入ると公言していたのに……。“エンディングノート”からあぶりだされる驚きの真実とは(「お片づけ」)。就活、婚活、妊活、終活ーー人生の岐路にまつわるミステリー7篇。
美貌の女探偵・唐渡美知子は原宿の自宅マンションで消音器付きの拳銃に狙われた。命拾いした美知子は、過去に関わりのあった、影乃という謎めいた過去を持つ探偵と、事件の真相を追い始める。ほどなく、彼女の事務所を訪れていた女子大生・光成真澄と父親の会社社長が立て続けに殺される…。30年の時を経て執筆された続篇『罠に落ちろ』のシリーズ第1作、藤田ハードボイルドの原点!
江戸を騒がし、町方はおろか火盗改め方も捕まえられない怪盗流れ星は、非道をせず、貧しい人々に施す義賊だ。 そんな彼が若い娘に恋をした。しかし、その娘は北国の小藩の悪事に関わりがあった。それを知った火附盗賊改め方の同心・鏑木十左は……。 犯科への取り組みを認められ、町奉行所から火附盗賊改め方へ、異例の抜擢をされた同心・鏑木十左は、老中・松平定信の命をうけた隠密・紫乃らとともに、悪人たちを追い詰めていく。