2018年1月21日発売
半分世界半分世界
「二〇××年○月△日一九時頃、夏の宵闇垂れ込めるS市K町四丁目の通りで多数の住民が暗色の奔流を目撃した」三年前、会社から帰宅途中の吉田大輔氏(三十代、妻と男児ひとり)は、電車を降りて自宅に向かうあいだで一瞬にして一九三二九人となったー第七回創元SF短編賞を受賞した「吉田同名」をはじめ、ある日突然、縦に半分になった家で、平然と暮らし続ける一家とその観察に没頭する人々を描く表題作、全住民が白と黒のチームに分かれ、三〇〇年もの間ゲームを続ける奇妙な町を舞台にした「白黒ダービー小史」など全四編。突飛なアイデアと語りの魔術が描き出す、まったく新しい小説世界。
PREV1NEXT