2018年12月22日発売
「この庁舎内に鬼がいる」真剣な顔で告げる陰陽師ベニーに、鬼丸は正体を隠し続けることに限界を感じ始めていた。そんな中、万博工事関係者の連続失踪に、吸血鬼が関与していることを突き止めた小麦早希が音信不通に。鬼丸は、謎の少女ヒョウリから小麦発見の通報を受け、邪気が漂う新宿御苑に向かうが、そこでは、“真怪・家康の首”による悍ましい“吸血の儀式”が始まろうとしていた。ついに最終決戦!陰陽寮チームの運命は?
時は元禄ー初代市川団十郎が役者仲間に刺殺された同月、刀鍛冶・一戸前国包の鍛冶場に、異形の“傾き者”が現れた。天を衝くばかりの身の丈に、はちきれんほど肥満した体。熊太夫と名乗るその旅芸人は、国包に打刀ひと振りと人探しを頼みたいのだという。だが依頼は、哀しみに満ちた熊太夫の過去、さらに若き日の国包に繋がっていた。息もつかせぬ展開、胸に迫る結末。神陰流の達人・国包の剛剣唸る、「刃鉄の人」シリーズ!
深く黒い森の果て、かつて名医と呼ばれた老人が1人で暮らす山小屋へ、足を撃たれた男が転がり込んでくる。男は、世間を騒がせている連続少女暴行殺人事件の容疑者として追われていた。配達員にすら会わないほど人嫌いのはずの老人は、なぜか男を匿うことにする。同じ頃、老人のもとには差出人不明の不気味な小包が次々と届いていた…。森の見せる悪夢に、人々はなすすべもなく呑み込まれていく。初期の異色サスペンス長編!
髪結いの伊三次は、独立し所帯を持つために貯めた三十両を盗まれるが、犯人は岡っ引きの留蔵の弟分・弥八だと判明し…(「星の降る夜」)。夫・清兵衛の財布から五両が盗まれたことに気づいたおときは、愛人の松太郎が盗んだと思い、新たに五両を工面するがー(「律儀者」)。魚の棒手振りを商う角次郎は、伊勢屋から千両で鰹を買いたいと持ち掛けられ…(「鰹千両」)など全八編を収録。女性作家による捕物帳アンソロジー。
賭場で捕まった瓢六と捕まえた弥左衛門は、おみち殺しの下手人をあげるべく奔走することにー(「地獄の目利き」)。虚弱だった若旦那が別人のように復調し、手代らは『福の神』の仕業に違いないと顔を見合わせるが…(「茶巾たまご」)。緒方章は師の命で禁書を手に入れるべく加島屋と待ち合わせるが、加島屋は何者かに殺されてしまう(「禁書売り」)など全七編を収録。女性作家になる捕物帳アンソロジー。
兵庫県芦屋市。定食屋「ばんめし屋」を訪れた中学生の少女。その目的は「幽霊に会うこと」。元俳優で店員の海里たちは困惑し、幽霊などいないと嘘をつく。しかし彼女の会いたい幽霊とは、幼い頃亡くした父の霊だった。一方、海里はテレビ番組のCMで、作家の淡海が海里をモデルに書いた小説が完成したことを知る。しかも淡海が、モデルが海里であることを明かし、さらに驚きの発言をしたことで大騒動となり…。大波瀾の第11弾!!
昼は甘酒屋、夜は天下の大泥棒という2つの顔を持つ鼠小僧・次郎吉。たまには羽を伸ばそうと、妹の小袖と色とりどりの温泉を回る“地獄巡り”が売りの湯治場を訪れたのに、江戸で人気の歌舞伎役者に凄腕のスリも現れ、旅籠は何やら騒がしい。しまいには女湯で侍が刺し殺される事件に遭遇する。どうやらその侍はある女の影を追っていたようなのだが…。旅先でも困っている人は放っておけない、痛快時代小説シリーズ第9弾!
「理想の当主になって頂きたいとは思わない」という衣更月の一言から、自分が“顔のない後継者”だと思い悩む花頴。一方でぎこちない主人の様子に疑問を抱いていた衣更月は、ある人物の指摘で自らの発言が誤解を生んでしまったことに気づく。そんな中、招かれた狩猟会で、花頴は臨時雇いの天草揚羽と再会。衣更月が不在の場面で、ふたたび烏丸家に揚羽の魔の手が迫るー。完璧執事の仮面崩壊!?大人気上流階級ミステリ!
新宿署の組織犯罪対策課の刑事・宗谷弘樹が拳銃で殺害された。暴力団関係者による犯行が予想されるなか、内部告発により宗谷と新宿署長の来宮の黒い噂が浮び上がってきた。警務部人事一課監察係の新海真人は、先輩係員の神倉とともに、宗谷の周辺の捜査に乗り出す。彼の勤務した警察署をあたるうち、立川署で宗谷に苛められて退職した警官がいることが判明。その男・長渕を訪ねた2人は、意外な事実を知ることになる。
わずか15歳で大学進学資格試験に合格し、17歳で英空軍入隊、19歳でパイロット記章を手にした著者は、世界を股にかけて活躍するジャーナリストに転身する。5カ国語を流暢に操り、ド・ゴール大統領暗殺未遂事件を間近で取材、旧東ドイツ国家保安省を欺き米空軍に協力し、第三次世界大戦の引き金を引きかけ、ナイジェリアの独立戦争に巻き込まれていく…。国境を超えて描かれる小説のような人生を明かした衝撃作。
北海道、小樽。男子高校生のルカは、人間に紛れて暮らすあやかし達が営むパン屋に居候中。自身でもあやかしや霊が視えるようになり、おっかなびっくりの毎日だ。ある日、守り役で狗神憑きの青年・榊の姉が働く水族館へ遊びに行ったルカは、彼女を粘着質に見つめる不穏な女に気付き…。ほか、泣けて仕方がない、あるおばあちゃんとの物語や、都市伝説「テケテケ」にまつわるお話も収録。満腹間違いなしのホラーミステリ第2弾!
元平戸藩主の松浦静山に知識と人柄を買われ、下屋敷に出向くようになった彦馬。赤い烏、夜歩く人形…持ち込まれる謎は解決するも、肝心の妻・織江捜しは進まない。一方、その織江も任務で飯炊き女に扮し平戸藩下屋敷に潜入していた。そこで静山の密貿易の証拠を手に入れるが、彦馬を想う気持ちから提出を決心できないでいる。やがて、江戸城中奥番の鳥居耀蔵がある事に気付き、動き始めー。任務と愛、揺れる織江の運命は?
新人税関職員の千々石天使が、いつものように横浜港に届いた積み荷を検査していると、大量の土が詰まった謎の棺が見つかる。怪しい土は調査に回されるが、なんと分析を担当していた男が吸血鬼になってしまった!?天使は、元監視部ホープの根住、化学分析官の紀和というふたりの先輩と事件について調べることに。棺が発見されたのは、天使にだけ見えた“あるもの”がきっかけとなっていて…。オカルトお仕事ミステリー誕生!
「この宇宙には、より絶対的な破壊の力が潜んでいる。その名は」-休眠していた機動増殖都市メカゴジラ・シティを再起動しゴジラを迎え撃とうとするハルオと仲間たち。だが異星人ビルサルドの思惑により、事態は更に破滅的な展開を迎えてしまう。絶望する人類に告げられた、ゴジラをも倒すという“黄金”の力とは、果たして?そして、ハルオの選択は!?アニメ映画版GODZILLAノベライズ、超弩級の完結編!!
例繰方同心の香川景蔵と同心見習いの野呂丈一郎が、焼き松茸の香りを味わっている時、恐るべき事件は、すでに始まっていた。一見いたずらで書かれたと思える謎めいた絵文が、10日ほど前に景蔵の許に届けられていたが、それが現実の事件となったのだ。これは、奉行所と景蔵に対しての挑戦で、仕組まれたものなのか。事件の真相を追う2人。だが、第2の謎文が届けられ…。とっておきの「謎」と「料理」で贈る、長篇時代小説。
シリアの砂漠に現れた謎の男。旧日本兵らしき軍服に、五芒星が染め付けられた白手袋。その男は、古今東西の呪術と魔術を極めた魔人・加藤保憲であった!妖怪専門誌『怪』の編集長と共に水木プロを訪れたアルバイトの榎木津平太郎は、水木しげるの叫びを聞いた。「妖怪や目に見えないモノが、ニッポンから消えている!」と。だがその言葉とは逆に、妖怪が次々と姿を現し、日本は大混乱に陥ってゆく。驚異の実名小説、ここに開幕!
富士の樹海。魔人・加藤保憲の前に、ある政治家が跪いていた。太古の魔物が憑依したその政治家に、加藤は言い放った。この国を滅ぼす、と。妖怪が出現し騒動が頻発すると、政府は妖怪を諸悪の根源と決めつけ駆逐に乗り出す。世相は殺伐とし民衆は暴力的となり、相互監視が始まった。この異常事態の原因究明のため、『怪』関係者は居酒屋に集い、信州山中で入手した、呼ぶ子を出現させる謎の石の秘密を解き明かそうとするが…。
妖怪研究施設での大騒動を境に、妖怪は鳴りを潜めていた。政府は妖怪殱滅を宣言すると、不可解な政策を次々と発表。国民は猜疑心と攻撃性に包まれてゆく。妖怪関係者は迫害を逃れて富士山麓に避難するが、荒俣宏や榎木津平太郎は、政府の特殊部隊によって捕縛されてしまう。平太郎らは、妖怪出現の謎、そして日本を殺伐とさせる真の要因を突き止められるか?加藤保憲、妖怪、軍隊、妖怪関係者が入り乱れた“大戦争”が始まる!
「妖怪や目に見えないモノが、ニッポンから消えている!」水木しげるの叫びとは逆に、各地に妖怪が現れ始める。背後には、あらゆる魔術を極めた魔人・加藤保憲の影が…。妖怪撲滅に動き出す政府。“妖怪狩り”を始める民衆。虚構と現実が入り混じり、荒んだ空気が蔓延する中、榎木津平太郎、荒俣宏、京極夏彦らは原因究明に乗り出した。多数の小説家、研究者などが実名で登場し、物語は驚異の結末を迎える。京極版“妖怪大戦争”!